第29回日本緑内障学会 その4(1093)

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今回の学会の目玉講演?レジェンド3人の登場です。岩田先生は当然として、他の人選は困難を極めたでしょうね・・・

Legendary lecture

Thinking about the problemsin glaucoma therapy in the super ageing society 超高齢社会の緑内障診療を考える 宇治幸隆

 宇治先生は、四日市の小山田記念温泉病院という、療養型病床群を多数含むケアミックス病院に勤務されていて、大学病院の眼科教授とは、全く異なるスタンスで診療にあたっておられ、その病院の性質上、超高齢社会の眼科診療に直面されているようです。当然認知症患者さんの比率は高く、検査ができない、点眼ができない患者さん相手の診療の中に、将来日本全体が直面する超高齢社会診療の姿を見て、問題点を提示されていました。若者は減少して、老人人口比率が増加して、認知症患者も増加し、介護スタッフも圧倒的に不足する時代に何ができるだろう?

※緑内障の診療なんて、認知症の患者さんに対して必要な非常に多くの医療サポートの中の、ほんの一部分に過ぎない気がする。緑内障の進行速度よりも認知症の進行速度の方が圧倒的に早く、どんどん検査できない点眼できない状況は悪化しつつ拡がっていく。そうなる前に、手術も完了しておいて、あとは、せいぜい1剤点眼すればいいぐらいの状態にしておかないと無理じゃないかなあ・・・。

Vitreous Humor Dynamics inNormal Rabbit Eyes Vitreous Humor Dynamics.正常家兎眼での検討 新家 眞

 レジェンド一人目は、超高齢社会での緑内障臨床に思いをはせたのに、二人目は、現在も真実を追求する若き研究者のような趣。残念ながら東大の先生にありがちな非常に難しい話で、凡人には全くついていけない・・・。とうしようもないので、掟破りだが、抄録を抜粋して記載。

硝子体中の水の動きは、硝子体中に注射された薬物の網膜への到達に影響を与え得る。感覚網膜とRPEの付着力の源は硝子体から脈絡膜側に向かう静水圧差で、以下の3つ。

  1. 硝子体圧(1mmHg)、
  2. 脈絡膜間質と硝子体液の浸透圧差(12mmHg)
  3. RPE のポンプ作用による水の動き( 623 µl /cm2/ hr)(根木先生がMormorの所でされた実験?)

実験動物の房水産生量は Jones-Maurice法で求められるが、この結果は硝子体内の水の動きと眼圧変化の影響を受ける。その点を利用すれば、生体眼での Vitreous humordynamicsを解析する方法となり得る。正常ウサギ眼では硝子体中を毛様体から網膜に向かって1.52 µl /cm2/ hr の水の流れがあり、それは Acetazolamide 投与で約 35 %増加する事、前述の 硝子体圧は0.08 µl /cm2/ hr、と浸透圧差は、0.9 µl /cm2/ hrこの程度の水の流れでも、拡散の遅い高分子を網膜に向かって押し付けていくには充分である事も明らかとなった・・・・らしい。

※点眼でも十分に有用な濃度が網膜や視神経に届くということをお話されていたが、その根拠となるようなお話なのだろうが、できたら、数学的な話は除外して、わかりやすい言葉に置き換えて聴きたかった。聴衆の多くは、ノックアウトでは?


Commented by きりん at 2018-10-04 21:45 x
認知症患者がレクトミーして、その後目をこすったりせずにブレブが破れずにおれるものでしょうか。
Commented by takeuchi-ganka at 2018-10-10 17:15
非常に危険だと思います。別の術式を選択すべきと考えます。
by takeuchi-ganka | 2018-10-04 17:32 | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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