第29回日本緑内障学会 その5 (1095)

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この世界でレジェンドと言えば、私的には、三島済一先生、湖崎弘先生、永田誠先生が浮かぶのだが、もうお会いすることもできないので、Living legend としては、この方しかいないだろう・・・。

LL-3

Invitation to the marvelousnaked NTG / 正常眼圧緑内障-裸身への誘い 岩田和雄 新潟大

Legendary Lectureのトリに、ホンモノのレジェンド登場。もう29回にもなる緑内障学会では、毎回元気なお姿をお見かけしていたのですが、自己紹介によれば91歳!このお年で、この元気さは、まさにモンスター。口調というか語り口が、昔のまんま、レジェンドは割れんばかりの拍手に迎えられて登壇。字数を稼ぐためではないが、昔の話をひとつ・・・

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 思い起こせば(?)、平成5724に滋賀で行われた3回日本緑内障学会研修会初日のプログラムは、午後4時半から行われ、テーマは、

  • 『緑内障の視神経障害を考える』 -機械説か血管説か- 座長:三島済一  
  • 機械説:岩田和雄・千原悦夫 vs 血管説:井上洋一・三木弘彦

当時の抄録から抜粋します。

Mechanical theoryを主張  岩田和雄

機械説には直接根拠となる所見が多い。血管説には間接的な推定所見しかない。

機械説の根拠

  1. 病理所見:機械的障害所見顕著。血管は正常。血管新生全くなし(慢性ischemiaの存在しない証拠)。AXONL.C.チャンネルの変形に弱い。astrogliaは無関心で反応なし。退行性である。
  2. 局所型のoptic nerve fiber bundleONFBdefectはビームの屈曲の強いところにおきる。ここにはangiospasmus的と判断し得る所見はない。
  3. 局所型のONFG defect部は12年のうちに血管網が変性消失し、特徴的な蛍光充盈欠損像を形成する。血管閉塞がONFB defectに先行するという実証はない。ONFB欠損のある網膜面でもセクター型の充盈欠損があるが、axon消失に伴うその部の血管網の退行によるものである。
  4. Ischemic optic neuropathyは、Glaucomaとは別個のentityである。
  5. 線状出血は漏出型出血で、血管閉塞型ではない。
  6. 健常眼圧が同一乳頭の部位によって又経過によって異なることは血管説で説明できない。

メモ:LTGNTGの事)の剖検例では、視神経乳頭陥凹周辺の強膜エッジの部分で、軸索が腫脹している所見あり(機械的に障害)。軸索が脱落しているだけで、血管は正常。篩状板の後方屈曲:ポアの大きさ・ビームの太さは部位によって異なる。

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この発表から25年後の平成30915日、レジェンド登場(^o^) ただ、本人的には、ついにレジェンドにされてしまい、若干悔しい・・・らしい。

緑内障の神経ダメージは、篩状板で。その障害の場とメカニズムはまだまだ・・・。かつて、病理組織所見で、示された機械説を、OCTを駆使して提示?提示された緑内障の視神経の病理組織標本は、昔と同じ?骨折状の篩状板。軸索の絞扼。貯留した軸索流による神経線維の腫大。メカニカルダメージそのもの。prelaminaで軸索脱落。毛細血管異常(-)

孔チャンネル型ダメージ:神経線維障害されると孔チャンネルがくっきり写ってくる。 軸索流貯留により孔チャンネルが拡大された(ブーケ状に開く)後、神経線維が脱落して、はっきり見えるようになる?

篩状板で神経細胞をサポートするアストロサイトが異常活性化mal-remodelingして、神経線維はより障害されやすくなる。前視野緑内障の極早期からその異常活性化サインが高輝度で現れている新所見:Gサイン?(SOAGでは見られない)。

PPA-βの拡大は、ブルフ膜端で圧迫されて軸索流が貯留し腫脹した視神経線維束により網膜が圧排さた結果。脈絡膜は、退行変性萎縮・・・。乳頭出血は、NFLD発生後牽引による破綻。出血の場所は、そこにスペースがある場所に広がる。

25年の時を経て、mechanical theory主張再び・・・。

割れんばかりの拍手、そしてスタンディングオベーション!


by takeuchi-ganka | 2018-10-09 14:51 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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