第11回Osaka Opthalmology Forum その1 (1108)

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日本酒と一緒に取り寄せたボジョレーヌーボー


教育講演

『人工知能』は糖尿病網膜症の診療をどう変えるか?

大阪大学教授 川崎良

これからは、人工知能、AIの時代に?医師の仕事はAIの答えを伝達するだけ?人工知能AIは糖尿病網膜症診療を変えるのか。糖尿病の発症から長い時間が経過して、糖尿病網膜症が発症して、やがて自覚症状も出てくると、様々な眼科的治療が行われるが、中には失明に至るケースも。この流れの中で、AIに何が出来て、医師には何が出来る?AIの仕事は、糖尿病になりやすさ・網膜症になりやすさ・眼底所見から自動診断・OCTの自動診断・・・など。

1,糖尿病網膜症のスクリーニング

糖尿病網膜症の自動診断装置の開発。かつてオーストラリアでの経験から・・・。硬性白斑・出血⇒自動診断可能?ドルーゼンとの鑑別が困難。うまく行かないケースもあり実現困難に。

AI以前の話として、まず多数の写真の画像処理して、乳頭・血管・黄斑部・・の検出。そして糖尿病網膜症の検出。ドルーゼンと硬性白斑の自動鑑別はなかなか難しい。感度は上がってきているが特異度が低いまま。偽陽性が多い。既に様々な国にシステム・製品あり。最近は、深層学習の技術を使って、性能向上してきた。

画像+特徴+アルゴリズム ⇒ 結果 (※ルール作りに問題が多い。限界がある。)

⇒ 深層学習: 画像+ ⇒結果(画像と結果だけを定義して、は機械任せ。)

グーグル社が深層学習の手法で開発した糖尿病網膜症の自動診断システムは、98%の精度で糖尿病網膜症を判定可能で、既に眼科専門医レベルに達している。

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2588763 

昔は偽陽性が多かったが、90%以上の特異度に・・・

強み:個々の所見の定義不要、一度学習すると迅速な診断が/弱み:非常に多くの画像での学習が必要、適切な教師で学習している?

IDx-DR :医師なしで糖尿病網膜症スクリーニングする機器(FDSが承認)。

https://www.eyediagnosis.net/ 

http://www.innervision.co.jp/products/release/20181202 

特徴抽出に深層学習(所見毎に深層学習を利用)。カメラはトプコン製。

これがあれば、なかなか眼科を受診してくれない患者さんでも一枚写真とるだけで、糖尿病網膜症の診断まで行ってくれる。眼科へ受診してもらえれば、眼科管理が可能となり、救われる患者さんが一気に増えることになり、社会的メリットは大きい。更に、眼底写真だけでなくOCT所見(CMESRDPED・・・)をデータ化、視力との関連付けての自動診断は、かなりのレベル(網膜専門医並?)。

2,糖尿病そのものの予測

①リスクヒートマップ(網膜症の発症しやすさ)。②合併症予測システム:網膜症・腎症・神経症、それぞれ危険因子の重みが異なる(※罹病期間長い(糖尿病網膜症)、血圧高い(腎症)、喫煙・・)

国立国際医療研究センターは3万人の健康診断データをベースにAIアルゴリズムを開発して、糖尿病予測ツールを発表した。体重・血圧・喫煙習慣などから簡単な予測、空腹時血糖やHbA1cなどデータを入れて、更に詳しい3年後の糖尿病発症予測が可能らしい。公式HPでは一時未公開にして、表現を変えて公開予定? https://medit.tech/ncgm-ai-for-diabetes/ 

※個別の治療メニューの提示もセットにすることが必要。

3,AIとの付き合い方

・無散瞳眼底カメラの写真1枚だけでOK?周辺部は? 4枚の周辺部写真⇒特異度アップ

・糖尿病網膜症・緑内障・加齢黄斑変性同時判定システムも必要。

・感度アップ(偽陰性減らす)・特異度アップ(偽陽性減らす)が必要な事だが。陽性的中度(検査で陽性のヒトが、本当のその疾患に罹患している割合)を高める為には、有病率の低い群でスクリーニングしては☓。有病率の高い群を選ぶことが必要。AIを使うのは①健診の一般のヒト②内科の患者?③内科から眼科に送られた患者?③がいいのかも。

AIはどんどん賢くなるが、追加学習は医療機器としては認められない?また、判断根拠がブラックボックスであってはならない・・。

AIをどう使う?判断根拠が明らかで、診断に時間がかからない、困っている問題に適切な支援、臨床医に敬意を払いつつ、サポートする。科学的根拠がある。そんなAIが求められている。


by takeuchi-ganka | 2018-11-19 21:40 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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