第11回Osaka Opthalmology Forum その3 (1110)

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東福寺の通天橋横



特別講演

レーザー虹彩切開術後の水萢性角膜症発症機序

日本大学教授 山上聡先生

長年の謎だったのだが、講演のタイトルはレーザー虹彩切開術後の水疱性角膜症発症機序。つまり解明されたってこと?それとも、山上先生のマクロファージ説の説明?水疱性角膜症の原因は、欧米ではフックスが圧倒的に多いのだが、日大では44.4%が白内障術後、レーザー虹彩切開術後が23.4%。その次が緑内障術後で数%と、術後の水疱性角膜症ばかり。何故日本でだけレーザー虹彩切開術後の水疱性角膜症が多いのだろうか。

レーザー虹彩切開術後水疱性角膜症の病態 

l 過剰凝固説

l 血液・房水柵破綻説

l 房水ジェット噴流説

l マクロファージ説

l 角膜内皮創傷治癒説

様々な説が出たが、結論は出てなかったのでは?現実には、アルゴンで水疱性角膜症生じるが、ヤグでは殆ど生じない。有色人種、特に日本人にだけ突出して多くて、白色人種では生じない。何故?

症例1 76歳女性。レーザー虹彩切開術後8年して水疱性角膜症(軽度)。角膜移植になったのだが、角膜内皮面に多数の細胞浸潤。線維化し組織に集簇する細胞。これらはCD68陽性細胞、つまりマクロファージ系細胞だった。移植対象となった水疱性角膜症でLI後に限り、角膜内皮面にCD68陽性細胞が検出された。

 ヒト培養角膜内皮細胞と演者の血液を組み合わせで、全WBCT細胞、B細胞、好中球では特に異常ないが、単球・マクロファージとの組み合わせのみ水疱性角膜症の内皮細胞のような形態を示した。マクロファージが内皮細胞を貪食している。マクロファージは通常生体にとってプラスに働くが、角膜内皮においても、喫煙者の肺胞マクロファージのようにマイナスに働いている。

 何故前房内にマクロファージが来るのか?これは培養ヒト角膜内皮の実験で、CCL2IL-8IL-6などで刺激されるとマクロファージ増殖。前房内で炎症があって、変性した内皮細胞・デスメ膜などがあれば、マクロファージはやってくる?

虹彩をアルゴンレーザーで焼くことが問題で、熱変性した虹彩組織がマクロファージ浸潤のきっかけを作っているらしく、虹彩が色素を含んでいる方がその傾向が大きい(マウス実験)。急性発作眼は既に虹彩血管のバリアは破綻していて、予防的LIと条件が異なって、更にサイトカインがでやすい。まアルゴンによる虹彩の損傷、熱変性した蛋白や、熱変性したデスメ・内皮細胞がマクロファージ浸潤のきっかけになっている。色素を含んだ内皮の付着物の存在(移動する)は要注意。マクロファージが変性した虹彩色素を貪食し、活性化して更に炎症を惹起。周辺正常角膜内皮も損傷して、さらに貪食が進むという悪循環が成立すると水疱性角膜症へ・・・。内皮は、虫食い状に欠損して、部分的浮腫が発生しても、周辺正常内皮の移動で透明性が確保されるが、代償不全になると、何年も経過した後に水疱性角膜症に。途中白内障手術で、前房がwash outされると内皮細胞減少が止まる事もある。。

非常にスッキリとした説明なのだが、これが真実なの?


by takeuchi-ganka | 2018-11-28 16:05 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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