Santen Opthalmology Symposium 2019 その6 (1129)  エイベリスについて

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メジロと豊後梅?

Special Lecture

新規緑内障治療剤の展望について

本来は、エイベリス発売記念講演会の筈なので、相原先生の話を聞くために参加した勉強会なのだが、メインに辿り着くのに時間がかかって、少し疲れてしまった。新しい緑内障点眼について、彼の話を聞けば、おおよそどんな雰囲気の薬なのか知ることができると思って参加したので、若干気合を入れて聴講。東大教授とは思えないフレンドリーな雰囲気もいいなあ・・。問題は情報量が多くて、私の処理能力が追いつかないこと・・・今回は・・

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閉塞隅角緑内障は、その隅角閉塞の程度・範囲が高度になれば眼圧は上昇するのだが、開放隅角緑内障では何故眼圧が上がっているかわからないまま、緑内障点眼は増えつつある現状。だから数は多いが、画期的なものはない。点眼継続困難な事も多く、四谷しらと眼科では、白土先生が『北風』だけど、相原先生が『太陽』なのでグッド・バランス?

 房水動態は実は様々な事があるのだろうが、現実には、我々は眼圧を測るしかすべがない。そして治療の第一選択薬はPGとβ。それ以外は第二以降・・

炎症の研究から始まったPG製剤。もともと眼の中で、何をしているか不明。眼圧が上がらないようにしている?たまたま刺激したら眼圧が下がった。PGが眼の病態生理に重要な働きをしている事を発見したのはAmbacheで,兎の虹彩から抽出した物質が,強い平滑筋収縮を引き起こすことを初めて報告し,この物質を虹彩にちなんでIrinと名付けた。これが後にPGE2F2αである事がわかつた。つまりPGは炎症を起こすもの。・・・それが低用量だと眼圧が下がることをたまたま見つけた。1986年の最初の論文は信じてもらえず、ARVOでもリジェクトされた。それが今では第一選択薬として20年以上独走している訳です。不思議な薬で、1回点眼で十分で、2回以上しても無駄だし、他のPG製剤との併用も意味がない。低用量で少し刺激するといいけど、受容体は刺激しすぎるとダメ。そして10%程度のノンレンスポンダーあり。

PG製剤は局所の副作用:充血・睫毛延長・虹彩や色素沈着・DUESPAPなどが問題。もっといい薬はないか?もっと眼圧が下がって、ノンレスが少なくて、1日中有効で、併用効果があって、安全なものは・・・?現在検討中の薬はやまほどある。主経路に対しては、ローキナーゼ、エンドセリン1、TGFβ(瘢痕化抑制)・・・・。   副経路に対しては、ガンナビノイド・セロトニン・・・・。現在東大で検討中の薬物は、流出路瘢痕化抑制目的。細胞外マトリックスを増やさない。ステロイドやTGFβは増やす。POAGではTGFβ増加(PEでは高くない)・・・ローの上流で、リゾフォスファチジン酸(LPA)とそれをつくる酵素。これが房水にまわって流出路障害・瘢痕化促進に関わっている可能性があり、そこに創薬の可能性。LPA産生酵素(ATX)阻害薬の開発途中・・。瘢痕化抑制が目的。

オミデネパグは、EP2受容体選択的作用薬。PGと構造が異なるので、EP2以外には作用しない。PG関連薬ではない。作用機序も異なる。 EP2Gs⇒cAMP上昇するシグナル』 vs 『』FPGq カルシウムイオン上昇シグナル』。何故眼圧が下がるのかは・・・不明なまま。ただ、結果的には主経路・副経路ともに流れをよくしているのは事実。

臨床試験

1)AYAMEStudyラタノとの比較試験。IOP下降作用同等、非劣性(エイベリスは23.7817.81、ラタノは23.4016.96)。ここまでの成績は今までなかった。20年ぶり。

2)RENGEStudy 低眼圧群で19.5%-3.66mmHg)下降、高眼圧群で23.4%-5.64mmHg)下降、チモロールとの併用で36.1%-8.36mmHg)下降。52週間の長期に渡って安定して眼圧下降維持。

PG関連薬じゃないので、副作用も異なる。副作用は、充血は22.8%ほどに生じるが、1時間でピーク、4時間続いて、12時間で消える。許容範囲内?グラナテックほどではない。特殊な事象だが、角膜が厚くなる(6.7%)。平均で20μmほど。1ヶ月で厚くなり、以後同じ・・・らしい。内皮・上皮に異常なく、原因も不明なまま。臨床上問題なし? CMEIOL眼の50%に出るので禁忌に・・有水晶体眼では、出ないらしい。タプロスと同時点眼で、羞明・虹彩炎・・が出現したので併用禁忌となった。サルでもフレア上昇。勿論他のPGもやめるべき。チモロールで充血増加。

※眼の周囲の副作用がでない。睫毛伸びないし(マウス)、虹彩色素沈着増加もなく(サル)、DUESもない・・・?

※ラタノ無効例にも有効らしい・・・(その逆もあるかもしれないが・・・)

11回点眼のネスタジルがもうすぐ登場?



Commented by 神戸の眼科医 at 2019-03-17 10:06 x
時々拝見させて勉強させていただきいています。古い医者のため、最近の緑内障薬の多さには患者には良い時代かと思いますが、処方医は日々勉強が必要かと痛感します。エイベリスは処方したことないですが、先生の使用感も相原先生と同じような感じでしょうか。角膜厚が厚くなることがあるとのことで、眼圧比較も難しくなりますね。それと、レスキュラがPG製剤の扱いではなくなってるんですね、日東にきくと保険では現在PGだけどイオンチャンネル開口薬と申請しているとのこと。PGとレスキュラ併用で良い効果が出るかは知りませんが。
Commented by takeuchi-ganka at 2019-05-07 11:39
コメントに気づくのが遅くなり失礼しました。エイベリスの使用感を話せるほど症例を多数経験していませんが、まあ通常のPG製剤と同レベルで、眼瞼にまつわる合併症が少ないと言われているので、つい使ってしまいますね。
by takeuchi-ganka | 2019-03-05 14:23 | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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