ドライアイのお勉強 その4 (1133) 摩擦関連疾患

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ニョキニョキ出てる・・もうすぐ春


4,摩擦関連疾患へのアプローチ 白石敦 愛媛大

新しい切り口。瞬きをするたびに発生する摩擦は、①眼瞼側要因 ②眼表面要因、そして③涙液要因の3要素。①眼瞼側要因としては、眼瞼圧と瞬目頻度、②眼表面側要因としては、上皮障害・コンタクトレンズ使用、結膜弛緩・・など、③涙液要因としては、涙液減少や涙液膜の不安定さ・・・などが摩擦亢進の要因となる。ただ、眼瞼圧は普通測定できないので、推測するしかないのだが、演者はこれを測定する特殊な器械を考案されたらしい。摩擦関連疾患とは・・、Blink-Associated Disorder(BAD)。これにはLid wiperepitheliopathy (LWE)Superior Limbic Keratoconjunctivitis (SLK)、加えてあまり聞いたことないが、Inferior LimbicKeratoconjunctivitis (ILK)

Lid wiper epitheliopathy (LWE) 提示症例は33歳女性で、SCLをしていてドライアイ気味。右眼痛(+)で、右のLid wiper部がよく染まっている(リサミングリーン)。調べてみると、上方より下方のLWEの方が頻度が高いらしい。若い世代に多く、加齢とともに減少していく。これは加齢とともに減少する眼瞼圧と関連?また例えば右顔面神経麻痺の患者さんの左眼にLWEが発生したりする。右眼は麻痺で閉瞼できないが、強く閉じようとすると左の眼瞼圧が上昇するから。眼瞼圧とLWEの関係を示唆。

次がSuperior Limbic Keratoconjunctivitis(SLK)。この患者は正常眼より眼瞼圧が高い。よくわからないけど、摩擦亢進の3要素の組み合わせによって、上輪部角結膜において摩擦が亢進している。

ドライアイ患者の上皮障害において、涙液減少・MGD・結膜弛緩・・・など以外に眼瞼圧はどの程度の役割を? 角膜・結膜上皮障害と眼瞼圧の関係を調べると、意外だが下方の上皮障害においてのみ関係あり(何故上方でなく下方なのか・・・不明)。角膜・結膜上皮障害パターンと関連因子の関係を見ると、結膜弛緩は上方、下眼瞼圧上昇は下方、涙液減少は瞼裂間結膜上皮障害と関連あり。

Lidwiperは、摩擦が強い部位なので、ゴブレット細胞が多くムチンによって防御しているけれど・・・

眼瞼痙攣症例で、眼瞼圧上昇により摩擦亢進し、SLK/ILKが生じうる。眼瞼痙攣にボトックス注射後、涙が出てくるのは、Kessing Spaceから?

ドライアイ患者で眼瞼圧上昇・Kessing Spaceの涙液貯留減少・瞬目による摩擦亢進・自覚症状/上皮障害増加・・・?眼表面での涙液貯留は、涙液メニスカスだけでなく、Kessing Spaceにも。以前、横井先生の話で、結膜弛緩で上方角結膜上皮が障害が多いのは、弛緩した結膜でKessing Spaceがなくなると、涙液減少・摩擦亢進するから・・・と聞いたことあり。つまり、結膜弛緩や眼瞼圧上昇がKessing Spaceの涙液貯留を妨げて、ドライアイや摩擦関連疾患の原因にもなりうる・・・らしい。


by takeuchi-ganka | 2019-03-19 16:52 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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