ドライアイのお勉強 その5 (1134) TFOD

ドライアイのお勉強 その5 (1134)   TFOD_f0088231_14364300.jpg
明日にも開花?(家の前)
ドライアイのお勉強 その5 (1134)   TFOD_f0088231_14365657.jpg
こっちは満開


5,TFODのフロントライン   横井則彦 京都府立医大

1,ドライアイにおける涙液動態の基本

涙液メニスカスの毛管圧 『p=2Υ/R』(これで涙液保持している)。(Υ:涙液の表面張力、R:涙液⊿の曲率半径) Blackline ⇒ Meniscus-induced tear film thining (※涙液膜が涙液メニスカスに引っ張られて、その間が菲薄化したもの?)これにより3つのコンパートメントに。①上方⊿ ②涙液層 ③下方⊿。①と③は涙道へ。②は作られては破壊される・・。涙液が減少するとpが大きくなり、涙小管ポンプ陰圧⊿Pとの差が少なくなり(p-P)、涙液クリアランスが低下(メディエーター増加により炎症・フリクション増加・BUT低下・・)。

2,ドライアイにおける涙液層動態に基づく眼表面の層別診断(Tear Film Oriented DiagnosisTFOD)のフロントライン

涙液層の最も重要な性質は安定性。これを決定する眼表面の構成要素:①油層 ②液層の水分 ③液層の分泌型ムチン(MUC5AC) ④表層上皮の膜型ムチン(MUC16)。涙液膜の『Breakup』を見て①~④の、どの異常なのか診断する。『Breakup』により凹凸不整になると眼精疲労の原因にもなる。ドライアイの定義も、2016の新しい定義では、上皮障害はなくて、涙液膜の安定性低下(『Breakup』)がメインになった。そんな患者さんが、比較的若い人に多く、症状も強い。BUT低下してても、シルマー正常。実用視力は低下し、MUC5ACMUC16が減少して、DQP、レパミピド点眼が有効。古い基準のドライアイ確定例(角膜・結膜上皮障害(+))と症状同程度。2016年の診断基準は、『Breakup』を見て診断し、不足しているものを見つける(層別診断:TFOD)。

ブレイクアップパターンの見方:①フルオレセイン試験紙を濡らして(こだわりの2滴)、しっかり水を切り、涙液量を増やさないように(無理だと思うけど・・・)、眼瞼縁に触れる程度で染色する。要するに極めて少量ってこと?②数回瞬きしたのち、軽く閉瞼して、ぱっと開けて、開瞼を維持してもらいBUPを行う。3回行う。上方⊿の陰圧に引っ張られて、水濡れ性に問題なければ、液層が角膜表面に塗りつけられる(これは瞬間的に完成するので見ることが不可能)。その時に、油層は下方が分厚く上方ほど薄い感じになっているのだが、その後油層は下方から上方に伸展する。それに引っ張られて水も上がっていくが、水は下方⊿にも引っ張られている。それでも何とか涙液膜が完成し、その後ランダムにブレイクするのが、Random break

  1. Area break:水が非常に少なくて、開瞼しても涙液層の塗りつけができない。上皮障害強い。フルオは上方に上がらない・・。
  2. Spot break:開瞼直後にブレイク(上皮層の膜型ムチンが減少して水濡れ性低下し、涙液の塗りつけ過程でブレイク)。
  3. Line break:開瞼後に液層が引き上げられる途中、下方⊿の陰圧に引っ張られて菲薄化してブレイク(軽度の水分不足)
  4. Dimple break:下方の厚い涙液層がブレイク。油層が上方伸展途中に先進部が凹んで(Dimple!)ブレイクする(上皮型膜型ムチン低下)。 ※ここまでは、涙液層完成前(フルオレセインが上方移動終了前)にブレイク。この場合ヒアルロン酸は逆効果になる。
  5. Random break:涙液膜が完成後、ランダムな場所でブレイク(油層・液層の分泌型ムチン減少)。正常眼でもあり。ドライアイは5秒以下。
  6. Line break rapid expantion:?開瞼維持してブレイクが広がる。ライン状ブレイクが横に広がる?角膜下方の水濡れ性低下。

※結局①は水が圧倒的に少ないので、涙点閉鎖や人工涙液の頻回点眼が必要だが、その他は基本DQSやレパミピドでいい?


by takeuchi-ganka | 2019-03-21 15:40 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31