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ドライアイのお勉強 その6 (1135) TFOT

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13歳になりました・・


5,TFOTのフロントライン   渡辺仁 関西ろうさい病院

BUTパターンで、足りないもの(原因)を推測して(TFOD)治療するTFOT。従来の治療は、ヒアルロン酸や人工涙液だったが、新しい日本特有の点眼として登場したのが、ジクアスとムコスタ。ムチンを増やすと言われたが、ジクアスは水を増やし、ムコスタは(2週間以上点眼すると膜型ムチン増加して)上皮の健全性を高めるらしい。日本特有と書いたのは、海外では、Ikervis(シクロスポリン)やXiidralifitegrast点眼液)が主流なので・・

https://www.santen.com/en/therapeutic-areas/asia/dryeye/ikervis/

https://www.xiidra.com/

※日本が世界と異なるのは何故なのだろう?Ikervis(シクロスポリン)やXiidralifitegrast)の点眼がそんなに有効なのなら使ってみたい気もするが・・

1. Line:下方に線状ブレイク。少しの水不足⇒ジクアス、ムコスタ

2. Area:全く涙液膜できない。高度の水不足。⇒涙点プラグ、人工涙液

3. Spot:開瞼した瞬間ブレイク。膜型ムチン低下(水濡れ性低下):ムコスタ、ジクアス

4. Random:涙液膜ができた後ランダムにブレイク⇒ヒアルロン酸、ジクアス、ムコスタ

5. Dimple:涙が上がるところで、主として中央部でブレイク(水濡れ低下)⇒ムコスタ、ジクアス

TFOTの検証:Area breakの治療は?『ジクアス・ムコスタvs 涙点プラグ』どちらがいい? BUT、上皮障害、視力、自覚症状全てにおいて、涙点プラグの方が圧倒的に良好。 ただ、60歳以上の高齢者は、通常問題ないが、60歳以下の若い人では、流涙が出てしまうことが多く、結局は流涙とドライアイ、どちらがいいか患者さんに選択してもらうことに。流涙が気になる場合は、下方を抜去することあり(上方の方が流量多い)。プラグが入っていてもドライアイが気になる場合は、ジクアス併用?

※涙点径の大きさによるプラグの選択。0.4mm以下ならパンクタルプラグSS0.40.8mmまではパンクタルFでカバーできる。それ以上大きいのは、イーグル1(0.7-1.0)かパンクタルプラグL1.0以上)。

フィラメントはどう対応する?できると結構痛い。なぜフィラメントができるのか?角膜上皮最表層の時間の経過とともに脱落するのだが、ドライアイがあると、扁平上皮化生し、角化すると上皮が脱落しにくくなって、瞼裂間にフィラメント形成。治療は、一気に治すなら涙点プラグ(+治療用コンタクトレンズ)、治療用コンタクトレンズ+点眼。ゆっくり治すなら、①フルメトロン、②ジクアス or ムコスタ+人工涙液、③治療用コンタクトレンズor 涙点プラグ。ただ、ジクアス入れて、ムチンが増加して、水が増えなければ、上皮障害改善してもフィラメントが大きくなり症状悪化することもある。その場合、涙点プラグ入れて、水を増やせば全て改善へ・・。ムコスタは、ジクアスより良好な印象。フィラメント減少・上皮障害改善、BUT延長し、自悪症状改善。もうひとつのフィラメントについて。瞼裂間フィラメントは、ドライアイだが、下眼瞼を下げて見える下方のフィラメントUnder lid (lid edge)corneal filament)は、眼瞼と眼表面の摩擦が原因。この場合は、摩擦によっても最表層上皮が扁平上皮化生して、脱落しにくくなりフィラメント形成。この場合は、涙液量を上げてもだめで、摩擦軽減させるために、ムコスタ(+フルメトロン)が有効。


by takeuchi-ganka | 2019-03-30 09:03 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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