緑内障を見つけるために  (1139)

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スズメノエンドウ?ちょっと可愛いらしい

緑内障が比較的珍しい疾患だったのは、遠い昔の話で、今では非常にありふれた疾患であることは間違いありません。当院のような小さなクリニックでさえ、新たに緑内障が疑われ、治療が開始されるケースは珍しくないのです。加えて、人間ドックで緑内障疑いと言われた患者さんや他院での緑内障を疑われ心配になった患者さんなど、緑内障・緑内障疑いの患者さんで溢れかえっています(言い過ぎ^^;)。緑内障といっても、非常に多くのタイプがありますが、今回の雑文は、原発性で、眼圧がほぼ正常で、隅角が開放していて異常所見のないものに限定します。つまり、日本人に最も多い正常眼圧緑内障(NTG)についてです。かなり進行するまで、全く自覚症状のないこの疾患の診断は、

  1. 他の疾患で受診して偶然見つかる
  2. 人間ドックで疑われて受診して見つかる
  3. 他院で緑内障が疑われ、精査のため受診して確認される
  4. 見えにくい、頭が痛い・・・などの症状から緑内障が心配になって受診(主訴はNTGと無関係)して偶然見つかる。
  5. 緑内障スクリーニングツールで異常があったので受診して見つかる
  6. 家族に緑内障患者がいるので、心配で受診して見つかる・・

こんなケースが殆どです。当院のような名もない小さなクリニックにおいては、圧倒的に1,の他の疾患(白内障・結膜炎・結膜下出血・・・・など)で受診した際に、ちらっと眼底を見て、『視神経乳頭・その周囲網膜に緑内障性の異常所見がありそう・・・・』と感じたことがきっかけで、診断にまでたどりつくことが多いのです。この『ちらっと見て怪しい』と感じるのを文章化するのは、なかなか難しいのですが、①乳頭陥凹拡大(陥凹が偏心している、リムが菲薄化している)、②乳頭出血、③NFLD、④近視乳頭の耳側が蒼白すぎる・・・・・こんなものでしょうか。ただ、白内障があったり、瞳孔が小さかったりすると、①がありそう・・・とか、③がありそう・・・なんてのがきっかけになります。一旦疑って精査すれば、散瞳して視神経乳頭とその周囲の網膜は詳細に見るだろうし、30-210-2の視野検査も行えば、OCTがなかった時代でも、ほぼ見落とすことはなかった筈です。

 ただ、今の時代、この『ちょっと怪しい・・・』で、精査をスタートさせると、せっかくのOCTが泣いている・・とY先生の指摘を受け、なるべく全例OCTをするようにしました(もちろんスクリーニング的OCTは保険請求していませんが)。完全に全例でないのは、若干怯んでいるのかもしれません。ただ、ほぼ(?)全例OCTを行うようになってから、OCTが緑内障を疑う眼が、これが本当に緑内障(?)と感じることが少なくありません。自分の眼が節穴だったのか?多分視神経やその周囲網膜に、教科書的な緑内障所見が明らかになるより、相当早い時期の微細な緑内障性変化を捉えているからでしょう。緑内障性視神経乳頭はこんなもの(陥凹があって、それが耳上側か耳下側へ拡大しつあり、lamina dotもある。NFLDや乳頭出血を伴っていれば完璧)・・・という固定概念にとらわれている古い眼科医としては、違和感を禁じ得ないのです。怪しげな『OCT緑内障』を粗製乱造したくないけど、折角初期変化を捉えているのなら、見逃したくない。結局、多少の違和感があっても、疑いのある眼なら、経過観察モードに入ることになります。

  1. やや蒼白な視神経だがcpRNFLが緑内障ぽい・・
  2. 近視乳頭にNFLDがありそうな所見(不明瞭なNFLD
  3. GCC異常所見があるのだがtemporal rapheが感じられない
  4. 神経線維走行と若干異なる感じのNFLDGCC異常所見
  5. 立派なNFLDがあるものの、視神経乳頭所見に反映されていない?
  6. 視神経低形成があるが、緑内障性NFLDも混在していそう・・
  7. NFLDGCCが矛盾してそう・・
  8. ERMNFLDが混在してそう(GCC評価不能)

・・などでしょうか。違和感を抱えながら経過観察モードに入るケースの全てを思い出せなませんが、疑うのは簡単でも、緑内障の存在を完全に否定することは難しいのです。緑内障は、超慢性疾患ながら徐々には進行する筈なので、OCTで乳頭周囲の神経線維厚や黄斑部の網膜内層厚が徐々に減少するかどうかを見ていくことになる。一応トプコンのOCTに経過観察モードがあるので、どこまで信頼していいのかが若干不安なのだが、見た目とか視野検査結果に頼るよりは、鋭敏な進行判定ができる筈と考えて、積極的に利用しています。担当者とのやり取りがうまく行かず、黄斑部解析の進行判定の利用が数年遅れたのが痛恨の極みですが・・・。


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 ※経過を見ながら、減少速度を見て、やばいかどうか判断する?


by takeuchi-ganka | 2019-04-20 17:35 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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