第48回 関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 その7(1147)

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なかなかタイミングは難しいですが、しとしと雨が降る日の菖蒲は素敵です。この日はほぼ快晴・・

開業医して20年以上も経過した爺にとって、同窓会の講演の中で、最も聞くのが苦痛なのが、この井街賞受賞講演。少し前まで、井街賞選考委員だったのだが、本当に苦痛だったなあ・・ 今年はブルフ膜の弾性線維について研究していた盛先生の発表。来年から、ここだけはパスかな・・


井街賞受賞記念講演

Developmental andage-related changes to the elastic lamina of Bruch’s membrane in mice

盛秀嗣

  1. . 滲出型加齢黄斑変性
  2. . ポリープ性脈絡膜血管症(PCV
  3. . RAP

演者の最終目標は、PCVの病態解明・モデル動物作成。加齢黄斑変性の原因は山程あるが、注目したのは、細胞外マトリックス。加齢黄斑変性の発症は、ブルフ膜弾性板の変性・断裂と関係があり、まずはブルフ膜の弾性板の研究を。ブルフ膜の構造とは?ちょっと懐かしい。

この写真は、しばらく見ることもなく、ホコリを被っていたHOGANの教科書から。ブルフ膜は、網膜色素上皮のbasal infoldingsからchoriochapillaris内皮の間の構造物で、5つの層からなる。問題は、この中の弾性線維層。

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  • ・網膜色素上皮のbasal infoldings

  1. 網膜色素上皮の基底膜
  2. 内膠原線維層
  3. 弾性線維層(弾性板)
  4. 外膠原線維層
  5. 脈絡膜毛細血管内皮の基底膜

  • choriocapillaris の内皮

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弾性板の研究:弾性線維とは、マイクロフィブリル上にエラスチンが凝集・集積したもの(microfibril + elastin)。この形成過程に関与するタンパク質は ⇒ ミクロフィブリルは、LTBP2の関与で線維束になり、トロポエラスチンは、Fibulin5の関与で凝集して、LTBP4の関与でミクロフィブリルに沈着する。ただ、チン小帯は、LTBP2Fibrillin1から構成されていて、他の蛋白は存在しない。組織によって組成が大きく異なる。ブルフ膜は?

※暗号ばかりで理解できないので、この世界の権威、関西医大薬理学教室の中邨先生の著作物で、ちょっと下調べ。

老化と弾性線維は深く関わっている。弾性線維は、elastinが、microfibril1(Fibrillin1,2のホモポリマー)に沈着したもの(その後架橋形成)。Fibulin-5 (DANCEdevelopmental arteries andneural crest EGF-like)は、elastinの凝集・沈着を促進している。

microfibrilLTBPlatent TGFβ-binding proteinファミリー(LTBP1-4)との関係は?LTBP-1と3は、TGFβ貯蔵(必要な時に放出?)が役割らしいが、LTBP-24は?LTBP-4は弾性線維形成に深く関わっているらしい。弾性線維上で、LTBP-4は、ほぼ完全にelastinと共局在。elastinmicrofibrilに沈着するのに、LTBP-4Fibulin-5の両方が必要。LTBP-4は、Fibulin-5microfibrilに沈着する足場となっている。沈着したelastinが架橋形成するメカニズムは解明不十分だが、リシルオキシダーゼ(LOX)が関与。架橋形成された弾性線維は伸び縮み可能に(弾性)

microfibrilは、Fibrillin1Fibrillin2(線維状の巨大タンパク質)が架橋されたもの。

※眼科では、Fibrillin1遺伝子の変異がマルファン症候群。チン小帯に異常があり、水晶体が偏位しているのは、弾性線維の異常ということ???

『エラスチン(弾性線維を生み出す蛋白)、エラスチンのコアセルベーション、microfibril(架橋の場所)、架橋を行う酵素(LOX)』・・・これですべてではなく、もう一つの主役Fibulin5DANCE)は、Fibrillinmicrofibril構成蛋白)とは異なる。弾性線維形成に必須タンパク質(オーガナイザー)。つまり、DANCEmicrofibrilに結合。そのDANCEtropoelastinが結合してコアセルベーション。DANCEがリクルートしてきたLOXL1, LOXL2, LOXL4tropoelastinの架橋形成。わかったようなわからないような・・・

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アダルトのマウスで調べる。まず免疫染色で。fibrillin-1 ②tropoelastin (elastinの単量体) ③fibrillin-5 ④LTBP-2 ⑤LTBP-4・・すべてマウスのブルフ膜に存在。①線状物、②点状物として観察。①⑤、①④、②④が共局在。次に、マウスのブルフ膜構成蛋白が一生を通じてどのように存在するのか。免疫染色では、妊娠後期になってなんとか同定可能。生後は、全て同定可能。電顕では?ミクロフィブリルは長い線維、黒いドットがトロポエラスチン。ともに妊娠初期から見られる。徐々に複合体に。生後36週ぐらいで完成。老齢マウスでbasallaminar deposit(+)リアルタイムPCRは、①fibrillin-1 ②tropoelastin (elastinの単量体) ③fibrillin-5 ④LTBP-2 ⑤LTBP-4・・・すべて妊娠中期からmRNA増加、生後36週目で減少。

  • ブルフ膜の完成は、生後36週目らしい。
  • 共局在 :①fibrillin-1と④LTBP-2 、①と⑤LTBP-4。 ②と④も? これも本来免疫電顕でみるべき。
  • PCVモデルマウスが目的なのだが、道のりはまだまだ遠い。今は、5つのタンパク質の研究のみ。
  • ブルフ膜の抽出は無理なので、眼球全体で調べるしかない。そこは問題点。リアルタイムPCRは参考程度。


by takeuchi-ganka | 2019-06-04 06:49 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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