2019年 06月 30日
頭痛 その1 (1152)

頭痛で眼科を受診される方は、①他科(通常内科)で「眼に異常ないか診てもらってこい・・」と言われたか、②眼症状を伴っている(視覚異常・充血・流涙など)か、③眼窩深部痛のような痛みの発生部位が眼に近い・・・。これぐらいでしょうか。
①の場合、他科の先生は緑内障を想定されているのでしょうが、この場合緑内障といっても、閉塞隅角緑内障ですが、急性なら1秒で診断できるでしょうし、慢性でも5分あれば何とか・・?
②で有名なのは、片頭痛と関連のある閃輝暗点(キザギザした光が徐々に広がって視野の一部が見にくい、モザイク模様が現れて視野の一部が見にくい・・・)。群発頭痛でも、「目の充血、流涙、鼻づまり、鼻水、眼瞼のむくみ、額と顔の発汗、額と顔の紅潮、耳閉感、瞳孔の縮小、眼瞼の下垂」などの症状が現れるようです。
③これもよくあることで、眼科医がその原因を突き止めることは困難な事が多いです。チョット論文を検索していて、その中で眼窩深部痛をきたす疾患としてあげられていたのは、
- Tolosa-Hunt症候群(有痛性眼筋麻痺)
- SUNCT症候群⇒三叉神経第一枝痛ないし結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛(short-lasting unilateral neuralgiformheadache attacks with conjunctival injectionand tearing)
- 帯状疱疹後神経痛
- 群発頭痛
- Vidian神経痛(翼突管神経痛)⇒顔面,鼻,目,耳などの一側性疼痛発作
- 三叉神経痛、大後頭三叉神経症候群⇒耳の後ろの痛み始まり、場所が日によって異なり、さらに痛みが後頭部から頭頂、頭の前の方へと縦に動く。後頭部に痛みがある場合に、目の奥の痛み、目の疲れ、まぶしさを同時に自覚。
- 慢性副鼻腔炎
- 視神経炎
- 急性閉塞隅角緑内障
- . CCF(内頸動脈海綿静脈洞瘻)
- . Raeder症候群⇒片側性Horner症候群と、同側性三叉神経領域(特に眼窩領域)の疼痛および感覚障害
- . 慢性頭痛(緊張型頭痛・片頭痛など)
あまり聞いたことのない疾患を含めて、様々な疾患が列挙されていました。もう少し想定できる疾患の数を増やして置くことが、正しい鑑別診断への道のようです。ただ、緑内障・視神経炎を含む眼疾患の有無をチェックした上で、原因と思われる眼疾患がなければ、さっさと耳鼻科・神経内科・脳外科などに送るべきかな。