頭痛 その2 (1153)
2019年 07月 08日

頭痛 その2
チョット斜めから勉強を初めてしまったので、今回は正面から。頭痛といっても、くも膜下出血に代表されるような二次性のものは除外すると、①片頭痛・②緊張型頭痛・③群発頭痛の3つ。
①片頭痛については以前記事にしたことがあります(※)。ズキズキとする痛みで、様々な視覚異常(閃輝暗点)を伴ったり、伴わなかったり。頭痛(その1)で触れるのを忘れましたが、眼科へは、この視覚異常で受診される患者さんが非常に多いです。身内に患者が一人いて、症状は結構激しくて、悪心嘔吐が始まると、半日は寝込んでました(一般的には4~72時間持続)。
※https://takeganka.exblog.jp/18217869/
②最も多いのが緊張型頭痛で、頭痛の過半数はこれ?精神的身体的ストレスが原因の締め付けられるような痛み。悪い姿勢でパソコンに長時間向かってると襲われる頭痛かな。
③群発頭痛。比較的稀で、男性に圧倒的に多い。最も激しい頭痛で、1年ごとに発生して1-2ヶ月続く。眼科医としてはあまり遭遇していない気がするのだが、診断基準があって、
- として、1,2,3に合う発作が5回以上ある
- として、左右どちらかの目の周囲や側頭部に15分から180分続く激痛が生じる
- として、次のいずれかあるいは両方を頭痛の時に認める
- 頭痛が起こる同じ側に、目の充血、流涙、鼻づまり、鼻水、眼瞼のむくみ、額と顔の発汗、額と顔の紅潮、耳閉感、瞳孔の縮小、眼瞼の下垂の1つ以上を認める
- じっとしていられない、もしくは激しく動きたくなる感じ
- 群発期(発作が起こる期間)の半分以上で発作が1日あたり0.5~ 8 回起こる
- 他のどの診断基準より合致する
『左右どちらかの目の周囲や側頭部に15分から180分続く激痛』、『目の充血、流涙、鼻づまり、鼻水、眼瞼のむくみ、額と顔の発汗、額と顔の紅潮、耳閉感、瞳孔の縮小、眼瞼の下垂』などがあれば、当然眼科受診されることもある筈で、注意しなければ・・
ここまでは、いわゆる1次性頭痛の話。特に原因(他の疾患)がある訳ではない頭痛だが、怖いのは二次性頭痛。外傷、感染、脳腫瘍、自己免疫疾患など多彩です。くも膜下出血のようなとんでもない衝撃の頭痛で眼科に来られることはないが、他の多彩な疾患を眼科では鑑別不可能だし、1次性頭痛の特徴をよく理解して、それ以外が怪しければ、神経内科か脳外科へ・・
頭痛といえば、素人的には脳腫瘍を想定するでしょうが、脳内に腫瘍ができても痛みはなく、脳圧が亢進するまでは頭痛はない筈です。脳圧亢進後は頭痛だけじゃなくなるので・・。ただ、早朝起床時の頭痛は要注意?
慢性頭痛の診療ガイドラインによると、二次性頭痛を疑う場合は・・以下のケースだそうです。
- 突然の頭痛
- 今までに経験したことのない頭痛
- いつもと様子の異なる頭痛
- 頻度と程度が増していく頭痛
- 50歳以降に初発の頭痛
- 神経脱落症状を有する頭痛
- 癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛
- 精神症状を有する患者の頭痛
- 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛