第8回関西角膜セミナー その1 (1154)

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奈良の喜光寺の蓮


8回関西角膜セミナー

2019713

指名講演

1,戻し電顕で遡及的に診断したMicrosporidia角膜炎 上野覚 近大

※聞いたことのない名前の角膜炎。Microsporidiaとは何?「動物や人の細胞内に寄生する偏性細胞内寄生体で、ミトコンドリアを欠く単細胞真核生物。免疫不全者に下痢や気管支炎、筋炎などを引き起こす日和見病原体。EKC類似の結膜炎、角膜炎の原因となる・・」らしい。

症例は60歳男性で、両眼ぶどう膜炎・続発緑内障で、右眼失明していて、左眼の角膜内皮炎?前房水PCRCMVが原因と確定し、治療したが水疱性角膜症。DSAEK2回行ってやっと落ち着いたが、角膜実質内にクリスタリンを思わせる結晶様の混濁が見られた。真菌感染を想定して治療(ボリコナゾール点眼・内服など)するも、雲のような混濁(角膜実質浅層)が多発して拡大してきた。角膜実質を擦過して塗抹鏡検。ファンギローY染色(+)で、真菌感染を疑って、ボリコナゾール角膜実質内注射を行ったが、改善が得られず、さ角膜全層移植を行い、以後落ち着いた。切除した角膜を病理組織学的検査へ。

ヘマトキシリン(+)、ファンギローラY(+)PAS(-)、クロゴット(-)・・・真菌でない。抗酸性染色で赤く染まる・・・ちょっと難しくてわからなかったが、要する光顕的検査でもMicrosporidia疑われ、確定診断の為に、光顕用のFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)後の角膜を電顕で検査(戻し電顕)。これによりTEMでチューブ状配列が見られ、Microsporidiaが確定したらしい。診断確定過程を「遡及的」と呼ぶのが妥当かどうか知らないけれど、非常に稀な微生物による角膜感染の経過でした。どうやら、2回目のDSAEKのドナー(海外のプレカット・アンフォテリシンB処理(-))によって持ち込まれた可能性のある感染で、抗菌剤も抗真菌薬もなにも効かない?治療は切除だけ?


by takeuchi-ganka | 2019-07-15 15:54 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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