第8回関西角膜セミナー その2 (1155)

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雨上がりの堤防はカタツムリ大量発生。踏まずに歩くのが大変・・


2,フックス角膜内皮ジストロフィーupdate 大家義則 阪大

欧米ではポピュラーだが、日本ではそれほど多くないと思われている角膜内皮が徐々に障害される疾患。軽度なら細隙灯顕微鏡的には殆ど異常がないレベルから、進行例では水疱性角膜症に。両眼性・特発性の滴状角膜で、角膜後面に茶色の色素沈着(+)。滴状角膜は角膜中央に多い。スペキュラーでdark areaの存在。常染色体優性遺伝だが、家族歴はっきりしないことも多い。中年以降の女性に多く、短眼軸・狭隅角が多い。水疱性角膜症になる前でも、眩しさ・視機能低下あり。内皮に脆弱性がありPEA+IOL、レーザー虹彩切開術に注意が必要。

※滴状角膜:デスメ膜と細胞の間にPCLがあり、このため内皮がスペキュラーで写らない(dark area)。

重症度分類 Krachmer 分類 (modified?

  • Grade 0: No apparent disease. Up to11 central guttae on each cornea.
  • Grade 1: Definitive onset of the disease. 12 or more central,nonconfluent guttae in at least one eye.
  • Grade 2: A zone of confluent centralguttae 1 to 2 mm in horizontal width.
  • Grade 3: A zone of confluent central guttae 2 to 5 mmwide.
  • Grade 4: A zone of confluent central guttae greater than 5mm wide.
  • Grade 5: A zone of confluent central guttae greater than 5 mmwide plus edema of the corneal stroma and/orcorneal epithelium.

欧米に多いと言われているが、軽症含めると日本でも多い?欧米では角膜移植の原因はフックスが1位(39%)で、40歳以上の有病率は3.9%も。結構多い・・・。日本の報告では水疱性角膜症で手術したケースの1.9%と言われているが、白内障術後やレーザー虹彩切開術後の中に含まれている可能性がある。久米島スタデイでは40歳以上の4.1%に滴状角膜(+)らしい。

フックスの多くはTCF4遺伝子のトリプレットリピート病らしい。トリプレットリピート?⇒「遺伝子の塩基配列のうちCAGなどの3塩基単位(トリプレット)が、CGACGACGACGACGACGA・・・・・のように連続して繰り返し配列することをトリプレットリピート(triplet repeat)という。この繰り返しの回数にはトリプレットを構成する塩基配列の種類などによって、正常人でも多様であるが、ある程度以上に多く繰り替えして伸長(過伸長)すると何らかの神経障害を惹起する場合があり、総称してトリプレットリピート病(triplet repeat disease)という。」(東京都医学研・脳神経病理データーベースから) ※難しくて理解困難・・

病診連携のタイミングは?どの時点で紹介すればいいのか。

1,70歳女性で狭隅角・滴状角膜(+)。少し視力低下し、(0.6)程度。角膜浮腫あり?⇒PEA+IOL+内皮移植に・・(※滴状角膜が確認できて、狭隅角で少し浮腫もあれば手術へ?)

2,75歳女性の水疱性角膜症。当然特に迷うことなく内皮移植へ。

3,78歳女性。狭隅角で、前眼部OCTで見るとPACに近いPACS?これも手術適応。

羞明・視力低下・水疱性角膜症・狭隅角などが紹介タイミングだと。羞明や水疱性角膜症はフックスそのものの症状なので、手術適応なのかもしれないが、狭隅角も? 狭隅角は非常に多くて、グレード0や1の滴状角膜ならありふれている。どの程度のフックスと狭隅角の組み合わせなら紹介なのだろう。グレード1までなら、普通にPEA+IOLすればいいだろうし、グレード3・4あたりから手を出さない方がいいのかも。

最後に、フックスでは、細隙灯顕微鏡で浮腫がなくても、見にくいのだろうか。これを定量解析することに。dark area (guttata) の部位・面積を評価してみると、中央部に多いほど重症。耳下側に多い。C-Quantで(guttataによる)前方散乱の定量が可能。これでdark areaの面積比との関係を調べると、面積が広くなると視力も前方散乱も低下。CCTの厚みの視機能への影響は限定的。滴状角膜による前方散乱が問題らしい。

※ C-Quant ⇒ https://www.nhcj.nikon.com/products/c_quant/index.html

Relationship between Corneal Guttae and Quality of Vision inPatients with Mild Fuchs' Endothelial Corneal Dystrophy. WatanabeS, Oie Y, Fujimoto H, Soma T, Koh S, Tsujikawa M, Maeda N, Nishida K.

Ophthalmology. 2015 Oct;122(10):2103-9.

※時々見かけるcorneal guttata。少し多いなあと思うこともあるが、そんな症例とFECDは同じものなのだろうか。我々が時々目にするものは、グレード0か1のFECD? だとすると、日本でも結構多い?


by takeuchi-ganka | 2019-07-17 07:19 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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