第8回関西角膜セミナー その5 (1158)

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※気象庁のHPから


長ーい梅雨が終わって、いきなり猛暑が始まったと思ったら、紀伊半島のすぐ南で台風発生?8月9月を元気で乗り切れるかなあ・・

2,ドライアイ診療アップデート 山田昌和 杏林大学眼科教授


繰り返し繰り返し聴いた話のようだが・・・

ドライアイ診断基準(2016

http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/dryeye.pdf#search='%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%A4%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%9F%BA%E6%BA%96+2016'

『ドライアイは、様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある。』⇒『BUT 5秒以下自覚症状(眼不快感または視機能異常)を有する。』

ドライアイ診療ガイドライン(2019

http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/dryeye_guideline.pdf

MINDS準拠のガイドラインで、23CQClinicalQuestion)と8つのトピックスから構成されているが、この中から診断と治療に関する部分を紹介。

DECS-J (Dry Eye Cross-Sectional Study in Jpapan

日本のドライアイ治療の現状:全国的に国内各地域から選んだ眼科クリニック10 施設で調査したドライアイ診

療実態調査(201412月~20152月)。これではBUT低下3秒ぐらい。ドライアイ患者を正常者と区別する為には、シルマーや角結膜染色所見よりも、BUT低下がいい。

CQ6 「各種診断法(検査)の感度・特異度は?」

  • BUT     感度8098、特異度 6394
  • シルマー   感度6586、特異度 5396
  • 涙液⊿   感度6785、特異度 40100
  • 症状     感度7590、特異度 81100

※タイプ分けや重症度判定の為に、シルマーや角結膜染色は必要。

DECS-Jでの頻度は、1位が涙液減少型、2位がBUT短縮。MGDや摩擦関連疾患は少ないのだが、マイボーム腺所見(血管拡張・眼瞼縁不整・Marx line移動、開口部閉塞)は多いし、摩擦関連所見LWESLKconj.chalasis)も多い。40%位あり?MGD(+)・摩擦関連疾患(+)だとBUTは更に短い。

ドライアイのコアメカニズムの一つは『涙液層の安定性低下』だが、もうひとつは『瞬目時の摩擦亢進』となっている。

フルオレセインの使い方:角結膜上皮障害・涙液量などがわかる。シルマーテストは意外と定量性があり、だいたい1μl1mm。折り曲げている部分(5mm)に結膜嚢での貯留涙液が吸われて、分泌された涙液が測定される。涙液の3つのコンパートメントがあり、①角膜上の涙液膜、②涙液⊿、③結膜嚢内。涙液量の変化は⊿に現れやすい。⊿を見ることが重要(フルオレセイン・前眼部OCT)。(正常:0.15から0.2mm以上) ただ、染め方には注意が必要。染色したベノキシールは最悪?横井先生と違って、フルオの紙を1/3に切って使っている。染色パターンからの情報:涙液減少型(下方に多いが輪部は染まらない?)、パッチーパターン(シェーグレン)、下方の輪部付近のSPKならMGD/chalaseis、上方ならSLKSEALs、また結膜上皮障害はローズベンガル・リサミングリーンとほぼ同じらしい。

治療

CQ817

4段階の推奨の強さ

NSAIDSは有用でない。シクロスポリンはエビデンスあるもらしいが日本では保険適応なし。自己血清効果ありそうだが、エビデンス乏しい・・・・つまり、推奨できるABは様々あって、曖昧な結果となっている。MINDS準拠の功罪?どの点眼を使っても、あまり変わらない??

トピックス4/5に専門家の意見(TFOT準拠)。

ジクアス:涙液を改善、ムコスタ:上皮を改善、炎症を抑える

自覚症状の評価:DECSQOL評価)やHUI-3 ⇒0.76(慢性関節リウマチ・肺気腫と同等?)。涙液減少型とBUT短縮型は、シルマーはフルオの結果には大きな差があるが、自覚症状・QOLの評価では差が出ない。つまり自覚症状と検査所見の乖離がある。最初に感じた違和感。もうかなり前になるが、ドライアイの勉強をし始めた時に、典型的な所見があって、何の不満もない患者さんが非常に多かったこと。本当に治療する必要があるのだろうか・・・と感じたし、何の所見もないのに、不快感を力説患者さんに心因性を疑ったりしたこともあるが、それがこの乖離なのだろう。ここに関する言及が一番聴きたかった内容。痛みに関する知見。国際疼痛学会の定義は・・・・難しいが、分類は


①侵害受容性疼痛:最も理解しやすい普通の痛み。疼痛受容器に対する刺激があって痛いと感じる痛み。炎症・組織損傷・・
②神経障害性疼痛:知覚神経に問題。ヘルペス、レーシック後、片頭痛(角膜内神経異常)など
1)痛覚過敏 2)アロディミア 3)自発痛
※末梢性感作(刺激がないのに・・)・中枢性感作(脳幹レベルで痛みを感じてしまう)
③心因性疼痛:眼科ではない。

※①②にはムコスタで治療可能

※自覚症状重視しましょう。所見でのみ判断してしまうと、患者さんの心が離れるかも・・

神経障害性疼痛:⇒

https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide08_09.pdf#search='%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E6%80%A7%E7%96%BC%E7%97%9B'

この最後の疼痛の部分は興味深いので、少し掘り下げようかな・・


by takeuchi-ganka | 2019-07-26 09:05 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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