第19回 近畿眼科オープンフォーラム その1(1159)

8月は夏休みって事で、ちょっとサボってました。9月になったので、ブログ再開です。

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19回 近畿眼科オープンフォーラム

第一部 基調講演 症例から学ぶ緑内障手術の適応 島根大学眼科教授 谷戸正樹


緑内障手術は、①流出路手術②濾過手術③シャント手術の3種類だが、最近はここに様々なMIGSが加わる。勿論MIGSも①②③のいずれかに組み込まれるのだろうが、手術侵襲が少なくて、手技も比較的簡単で、ある程度の眼圧効果が期待できる(確かに強膜切開はしなくていいが、それほど簡単でない事もあり、眼圧効果だって怪しいこともある?)。従って(?)、iStentも基本的に単独手術は行わず、単独でも眼圧が下がる白内障手術との併用手術の場合、相加効果が確認されている。白内障手術は単独でも眼圧下降するが、更にもう少し下がるって程度。

※日本でのMIGSiStent、トラベクトーム、カフーク、谷戸式フック、suture LOTなど

 谷戸式フックを用いたロトミーinterno(μLOT)は、通常のロトミー同等以上の効果があるらしい(切開範囲が広いから?)。単独手術なら基本的にはロトミーなので眼圧はせいぜい15程度で、10にはならない(同時手術ならもっと低く術後11ほどに)。術後も緑内障点眼2剤は必要。眼圧10前後とか術後点眼フリーを目指すなら濾過手術しかない。

シャント手術には、バルベルトとアーメドがあって、バルベルトは手技が難しいが、眼圧はレクトミーより下がる?アーメドとバルベルトは、21以下が目標なら差がないが、15以下を目指すならバルベルトだが、下がりすぎることも。眼圧下降効果は、バルベルト・レクトミー・アーメドの順?合併症はその逆。

1)60歳女性:飛蚊症、網膜裂孔、光凝固の経過で緑内障指摘。治療開始。-10D以上の高度近視があって、PGとα2点眼でhigh teen。喘息あってβ使えない。緑内障は右眼の方が進んでいて、ちょっと進行。白内障は、左眼がより進行。演者は結局、右眼はμLOTPEA+IOL、左眼はiStentPEA+IOL

※高度近視でHCL装用していて、緑内障点眼+ヒアルロン酸点眼中。角膜上皮障害(+)。白内障も進行してきたようだし、右眼はPEがあって、より眼圧高めで緑内障も進行しているようなので、しっかり眼圧を下げる必要があり、PEA+IOLμLOT。左眼はPEA+IOLだけでもいいような気がするけど、(ついでに?iStentも入れたらしい。

※右眼は、かなり眼圧低くしたいだろうが、強度近視にレクトミーするのは・・合併症多いし、HCLも出来ない可能性もあるし・・、しかたなくロトミー系をチョイス。

2)56歳男性:何故か右眼はPEがあり既に失明していて眼圧46。左眼は視力1.2で、眼圧22PG+β+CAI点眼で1419。冬場は20以上。右眼失明しているが、左眼は、視野・OCTともに正常。要するにOHOCTで視神経・黄斑部解析ともに正常な眼に何か手術をしないと駄目なのだろうか?μLOTしたらしいが。遠方に住まれていて、経過観察困難ならそれもありだろうが・・・。

※緑内障手術を積極的にしている状況なら、ロトミー系手術をしただろうが、今のスタンスなら経過観察かなあ・・。だって、長らく高い眼圧が続いていても、全く緑内障性障害が発生していない状況で、手術必要かなあ・・。高いよりは低いほうがいいだろうけど。

3ボトル目、4成分目が必要になったら、そろそろμLOTを考えていると・・。

3)39歳男性5年前に緑内障指摘されていたが、転勤などで、転院を繰り返し(ABCD)そして演者のところへ。強度近視があり、視力は右(0.2)、左(1.2)。眼圧右22、左19。点眼5種類入っていてる。右眼は視力も下がってきているし、アイファガンの結膜炎、角膜上皮障害(+)。隅角広いがCB band狭く、high insertion気味で発達緑内障要因がありそう。左眼は視野障害軽度だが、右眼はadvanced。こんな眼は、5年以上前にLOT系手術が必要だった眼(かなり手遅れ^^;)。演者は両眼μLOTしたらしいが、右眼は流石にレクトミーが必要かな。

※転院を繰り返していると、責任をもって管理してくれる主治医不在になり、危険だと思うが、その典型例かな。

※右眼のμLOTが無効だったのは?シュレム管後方に問題あり。集合管閉塞しているとかシュレム管後方圧が高いとか、高い房水産生と流出路抵抗のバランスの問題とか・・

4)87歳男性:独居老人。23歳の頃、左眼外傷でICCE15年前緑内障指摘。点眼4剤入ってて、視野悪化したので受診。視力右(0.8)、左が(0.5)、眼圧右18、左30。左眼隅角広いが、右眼は狭くて、少しPAS(+)。両眼とも30-2-25dB以上の末期緑内障。

右眼はPOAGか混合緑内障で、PEA+IOLLOTを。左眼は原因のよくわからない緑内障だが、アーメドをしたらしい。若い頃から無水晶体眼で矯正していないので、あまり見えていない左眼は、失明回避できたらそれでいいレベルなのでアーメド。バルベルトより、安全確実なので?世話人は、+IOL縫着。右眼は、良好な視力を確保できて、術後メンテがフリーな眼がいいので、LOTをチョイスしたのかも。

※会場では、様々な選択肢のあるアンケートを取っていた。実際の患者さんを目の前にしていないので、何とも言えない部分もあるが、要するに緑内障治療方法は、クリニック・医師によって大きく異なるということ。

※最近の講演会の特徴だが、論文になっていないデータは話せないし、手術の成績も言えない講演会のようで、徐々に面白みがなくなってきたなあ・・・


by takeuchi-ganka | 2019-09-02 08:23 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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