第30回 日本緑内障学会 その6(1169) シンポジウム6

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シンポジウム 6

超高齢社会の緑内障マネージメント

Relationship between aging and glaucoma

加齢変化と緑内障の関係

[演者] 中村誠:(神戸大)

多治見スタデイでも、有病率は加齢とともに増加している。加齢とは?見かけじゃなく、分子レベルでは?ヒトの培養細胞は50回ほどで分裂停止する(Hayflick限界というらしい)。これが寿命と関係・・?がん細胞には、この限界がない。βガラクトシダーゼ(老化細胞マーカー)が、加齢により細胞内に増える。そこで、緑内障と加齢の関係について・・・

1,角強膜 : 組成の加齢性変化?(プロテオグリカンの減少・・?)、強膜のしなやかさは緑内障で低下。また角膜のしなやかさ(粘弾性)も低下。有名なのは、Ocular response analyzerで測定するCorneal Hysteresis : CH。その他に、CCFCorneal constant factor)・CPFcorneal resistance factor)などの要因も加齢で低下している(緩やかだが・・)。CHは、緑内障の各病型でも低下している。(CHはそんなに関係の深い数値なのかなあ・・・。)

2,隅角 : 線維柱帯内皮細胞の加齢性の減少、線維柱帯のビームも融合して厚くなり、流出抵抗上昇。線維柱帯の細胞外マトリックスの蛋白の加齢性変化:ビメンチン、Fアクチン、SFRP1・・などが変化して、細胞内骨格も変化し、線維柱帯そのものが加齢で硬くなる。緑内障の変化も加わり(弾性線維の肥厚)、房水流出抵抗は上昇・・・。(と言われるけど、そんなに眼圧上がらないような・・・)

3,篩状板 : これも加齢性変化が。タイプ2コラーゲン減少、AGsが増加してコラーゲンのクロスリンキングが増え硬くなる・・・・・しなやかさが失われる。一般的には加齢で厚くなる。人種差:ヨーロッパでは加齢で弾性低下、アフリカでは増加。

4,網膜神経節細胞 : RGCは減少していて、OCTでもわかる。それだけじゃなく、シナプス密度、受容野、シナプス蛋白・・も加齢で減少。高眼圧に対するRGC減少が加齢で増加。ミクログリア活性顕著に・・。

5,その他 :歩行速度の低下し、眼球運動においても、サッケード潜時低下、逆向きサッケード増加。正常vs PPGでもその傾向(+)

※今ひとつ、加齢性変化と緑内障の関係が伝わらないなかったけど、加齢によって、CHが低下したり、篩状板のしなやかさが失われて、RGC数減少に限らず、視路に関わる様々なレベルで機能低下が生じていて、それが高齢者の緑内障を更に悪化させる要因になるのだろうか。


by takeuchi-ganka | 2019-10-06 17:34 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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