第30回 日本緑内障学会 その8(1171) 特別講演

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30回 日本緑内障学会 特別講演

Development of therapeutic strategy for neuronal protection andregeneration

中枢神経の保護と再生のための治療戦略 [演者] 山下俊英(大阪大分子神経科学)

中枢神経の修復について

脳脊髄の修復過程は?『3Rs

  • Rescue :この分野はまだまだ・・・
  • Reactive:残存した神経回路の再活性化。リハビリや硬膜外刺激があるが、その科学的根拠を確立する
  • Rewire:切れた回路を繋げる。内在する再生力が弱い。その原因を取り除く。また周囲の環境を整える。

何故中枢神経は再生しないのか・・(再生をブロックするシステムは?)。

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/research_detail02.html 

再生されるまでのステップは、①軸索の伸展(ここが問題) ②標的部位への誘導 ③シナプス形成

脊髄損傷部において:①オリゴデンドロサイトのミエリンのデブリス、②アストロサイト増加グリア瘢痕、③炎症細胞、サイトカイン⇒これらが再生をブロックしている。このオリゴデンドロサイトに発現しているMAGNogoOMgp(軸索再生阻害因子)が神経細胞の軸索の伸長を阻止するため、ひとたび損傷された中枢神経の軸索は再生できないらしい。

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/research_detail03.html 

※『P75』の働きについて

http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/research_p75.html

⇒ p75は軸索の成長を制御する受容体

ニューロトロフィン+p75 Rhoの不活性化⇒突起の伸展が促進。

 Rhoは、軸索伸展を制御する重要な細胞内シグナル。またMAGNogoOMgpという再生阻害タンパク質も、p75を介してRhoを活性化し、神経突起の伸展を阻害する作用を有している。ここを阻害することで、神経再生が可能になる?

 これ以外に、もっと重要なものがあるのでは?メインとなる軸索再生阻害因子は?(最も悪いやつを探す研究)⇒ 軸索再生阻害タンパク質と呼ばれる因子としては、 Repulsive Guidance MoleculeRGM)、SemaphorinNogo-A、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)などがあるが・・・RGMが最も重要?!(これが一番悪いやつ?)

 RGMは、神経細胞を取り巻く細胞に発現しており、中枢神経が損傷を受けると、損傷周囲に発現が上昇してくる。オリゴデンドロサイト、ミクログリア、マクロファージなど。『脊髄を損傷させて、後ろ足に麻痺がでたラットに、この抗RGM機能中和抗体を投与すると、4週間目を過ぎたあたりから徐々に運動機能が改善し始め、6週目以降では未治療群と比較してよりよい機能回復が認められました。実際にラットの脊髄を観察してみると、損傷によって切断された軸索が再生していた。この結果は、RGMが確かに軸索再生阻害因子として働いていることを明確に示している。』 アカゲザルの脊髄損傷実験(頸髄)でも、抗RGC抗体投与で、片側手足の麻痺が改善した。RGMを取り除くと、軸索再生が起こるだけでなくて、誘導・シナプス形成までうまくいくようになる。 他のスタデイでは、脊髄損傷後の痛みもコントロール可能。視神経損傷モデルでは、中和抗体に、神経細胞死抑制・再生促進硬化あり。

多発性硬化症に対する新たな治療標的の発見-RGM抗体治療薬が発症および再発を抑制-

『抗原提示細胞は、抗原刺激を受けて、T細胞を活性化する。活性化したT細胞が中枢神経へ移行して、サイトカインを放出して、中枢神経症状を発症する。RGMは抗原提示細胞に発現しており、RGMの受容体であるneogeninT細胞に発現している。RGMは、抗原提示細胞によるT細胞の活性化を促進する。』マウスの実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルに抗RGM抗体を投与することで、神経症状を抑えた。これは、『樹状細胞に発現するRGMに結合することで、T細胞の活性化を抑える』為。また、『脳脊髄炎の再発を抑制する効果』もある。進行形MSにおいても、免疫細胞による軸索変性にRGMがかかわる。Th17細胞による神経変性を中和抗体で抑制できる。

※ヒト化RGMモノクローナル抗体

  1. 日本で健康成人を対象とするMT-3921の第1相臨床試験を開始(20194月)
  2. MT-3921について 脊髄損傷患者さんを対象とする第1相臨床試験計画を米国FDAに提出(20198月)

時間はかかったが、実用化まであと少し・・

もともと理解困難だったが、最後の方全く理解不能に・・・

http://www.med.osaka-u.ac.jp/introduction/research/joint/neuro-medical-science 


by takeuchi-ganka | 2019-10-11 17:14 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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