2019年 10月 19日
第30回 日本緑内障学会 その13(1176) モーニングセミナー
何故か、忽然とアレルギーの話。緑内障漬けだったので、チョット新鮮な感じ・・
モーニングセミナー7
学ぼう!外眼部治療における眼圧コントロール深めよう!緑内障治療における長期マネージメント
眼瞼疾患と春季カタル~ステロイドと免疫抑制薬の使い方~
[演者] 福田憲(高知大)
Ⅰ型アレルギー
1、アレルギー性結膜炎(allergic conjunctivitis : AC)
・季節性アレルギー性結膜炎(seasonal allergicconjunctivitis:SAC)
・通年性アレルギー性結膜炎(perennial allergicconjunctivitis:PAC)
2、アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivits :AKC)
3、春季カタル(vernal keratoconjunctivitis : VKC)
4、巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivits :GPC)
ACが90%以上で、AKCとVKCは重症型で、角膜障害をきたす。ACは自覚症状がなくなればいいが、重症型は、角膜を守ること。VKCは男の子供に多い。アトピー性皮膚炎を伴うし、角膜障害も来す。過小治療にも注意して、副反応に注意しつつ積極的に治療して透明角膜を守る。
角膜はバリア強くて、血管ない。アレルギー成立しにくい。副反応は上皮障害。結膜は、バリア弱くて、血管多い、抗原が入りアレルギー成立しやすい。ヘルパーT細胞(Th2細胞)から様々なTh2サイトカインが放出され、増殖性病変・好酸球。治療はT細胞の炎症を抑えること。
以前の治療はステロイド点眼が主役だった。ステロイド緑内障のリスク。小児ステロイドレスポンダー多い。ステロイド中止、再開したり、低濃度にしたり・・・治療に難渋したことも多かった。角膜バリアが破綻してると、フルメトロンでも眼圧上昇することも。それが、パピロックミニやタリムスの登場で状況一変した。重症型でも、ステロイド(-)で治療可能に。共に、T細胞の活性化を抑える。
VKCの治療は、①抗アレルギー点眼 ②免疫抑制剤点眼 ③ステロイド点眼。②がメインの治療。ステロイドは、免疫抑制剤が不十分な場合のみ投与。タリムス入れても、SPK残存した時(全体の10%程度)。減量するときも、まずステロイドから、免疫抑制剤は長く使う。ステロイドを使う症例は、1割程度。
アレルギー性眼瞼炎
花粉眼瞼炎: 頬・眼瞼に生じやすい。スギ花粉が原因。アトピーがベースにあることも。治療は、洗顔・保湿だが、加えてステロイド軟膏(硫酸フラジオマイシン(-)のものを使う)。プロトピック軟膏はしみるので、ステロイドびらんを少し治してから使う。その後保湿。
眼瞼にステロイド塗布で眼圧上昇ありうる。平均9日で眼圧上昇。特に小児は要注意。子供のアトピー性皮膚炎で、顔にステロイド塗布は眼圧上昇注意。皮膚科で使うステロイド軟膏は、強いものが多い(very strong)。眼瞼皮膚は非常に薄くてバリアも弱いので、眼圧注意。
点眼アレルギー:4型アレルギー(感作T細胞と抗原との反応により、感作T細胞からサイトカインが放出され細胞傷害)で、1-3日後に発症。診断はパッチテスト(スクラッチパッチテスト)で。
①アレルギー性接触性皮膚炎:3日後ぐらいに発症。バリアが弱い眼瞼皮膚に多い。どんな点眼でもありうる。 中止して、パッチテストか再投与テストで診断確定。ステロイドは硫酸フラジオマイシン(-)のものを。
②濾胞性結膜炎:濾胞。点眼継続することもあると・・・。点眼中止して、原因薬物推定へ。ブリモニジンは、このパターンかな。