第60回大阪眼科手術の会 その2 (1183)

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緑内障手術のパラダイムシフト

岡山済生会総合病院 成田亜希子

※凄く前向きに手術を考えている先生みたいです。

MIGSにも(赤字は日本でも認可)

1,経線維柱帯流出路促進

  1. iStent Micro-Bypass
  2. Gonioscopy-assistedtransluminal trabeculotomy (GATT)
  3. Trabectome
  4. TRAB360 Trabeculotomy
  5. Kahook Dual Blade
  6. Abinterno canaloplasty
  7. HydrusMicrostent

2,ぶどう膜強膜経路促進

  1. CyPassMicro-Stent
  2. iStentSupra

3,濾過系

  1. XENGlaucoma Treatment System
  2. InnFocusMicroShunt

https://webeye.ophth.uiowa.edu/eyeforum/tutorials/migs/

と、様々なものがあるが、日本承認されているのは、トラベクトーム、カフーク、iStentのみ。緑内障手術は、アメリカでは、iStentが非常に多い。今はiStent injectがメインにに。演者の病院では、半分以上がトラベクトーム。レクトミー(33%)が次・・。

 理想的手術とは、安全かつ有効で、再現性が高い。低侵襲で、生理的房水路増強し、目標眼圧により調節可能で、短時間でできて低コスト。将来の手術に影響しない・・・だが、そんな手術はない。そんな中でのベストチョイスは?

 目標眼圧に基づく術式選択:初期緑内障ほどより安全な術式が、後期ほどより大幅な眼圧下降が求められる。白内障単独手術でもかなり眼圧下降あり。術前眼圧高いほど、前房深度浅い(隅角が狭い)ほど単独手術でも術後眼圧下がりやすい。ただ緑内障によっては白内障術後の眼圧スパイクが多く、MIGS併用がより安全?


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線維柱帯の流出抵抗は主経路の50%。MIGSの成否は、線維柱帯の後方の抵抗に依存。演者の主な手技は、トラベクトーム。手術終了時に眼内圧を下げると上強膜静脈が充血、眼内圧を上げると上強膜静脈に房水が流入する。これが、経線維柱帯流出路が開通している証拠。これを利用したのが、Episcleral venogram? トラベクトーム後、前房を人工房水で灌流して眼圧を上げて、強膜表面が白くなる範囲と術後眼圧が関連。(以前にも聞いたことあるが、ただ手術してから、効果判定しても遅いような・・)またシュレム管経由の水の流れは一定ではなく、鼻下側が流量多い(high flow)。上方で少ない(low flow)。メタアナリシス結果は、39%眼圧下降という報告も(チョット下がりすぎ)。同時手術で27%下降(ありえるかな)。一過性眼圧上昇5%少ない。白内障との同時手術で、術後眼圧上昇スパイク抑えられる(258)。白内障との同時手術で、トラベクトームとiStent2個が同等。演者の病院では、トラベクトームトリプルで眼圧下降20%ほど(妥当な数値に思える)。点眼数も減少。眼圧15以下、下降率20%以下を成功とすると、1年で生存率53.8%ほどらしい。

※手術終了時に眼圧40ぐらいまで上げて終了。これがポイントらしい・・

※要するにロトミー同等の眼圧下降なので、それなりの眼圧下降しか得られない術式だが、白内障手術との組み合わせで、あまりマイナス面がなくて追加可能な緑内障手術として有用。

 今年の緑内障学会での発表『シュレム管の血液充えいパターンとトラベクトーム手術成績との関連についての検討』で、『術前のシュレム管の血液充えいパターンと手術成功率 (P0.468)、術前後の眼圧 (P0.941P0.483)、眼圧下降率 (P0.284)、術前後の緑内障点眼スコア (P0.805P0.079)、緑内障点眼スコア減少数 (P0.150)、年齢 (P0.213)MD (P0.356)に有意な関連を認めなかった。』(抄録から)口演聞いてないので、理解しにくい部分もあるが、充えい(-)だと術後眼圧下降乏しい?

普通の眼なら、眼圧低いとシュレム管・集合管ともに開いていて、眼圧上昇するとシュレム管が虚脱して集合管も閉塞するが、眼圧を下げていくと、シュレム管・集合管ひらいてくる(可逆的)。POAGでは眼圧下げても集合管閉塞したままのことが多い。充えい(-)ということは、シュレム管虚脱・集合管閉塞・さらに後方の流出路閉塞している可能性あり。良好な成績が得られるのは、眼圧下降で、シュレム管より後方の流出路が開いたから? (※iStent inject前後に房水血管造影した報告があり、術前ICG、術後フルオで。鼻側のout flow 最も多い(45%)。術前造影(-)が、術後造影(+)に。術後後方の流出路が開いた可能性?)

 後期緑内障の手術はレクトミー。濾過胞管理は、前眼部OCTCASIA)で。濾過胞の丈が高くて、壁が厚くて、壁の反射が低いと眼圧良好。丈が低く、壁が薄くて、反射が強いとダメ。将来予測が可能かも?加えて質的情報、濾過胞内の線状構造、濾過底の強膜が映らない、濾過胞のcyst like structureについて。丈が高くて、壁が厚くて、内部に線状構造があれば、将来良好な眼圧コントロール。(※OCT画像を見て、LSLのタイミングを考慮したり、ベバシズマブ0.1mlSCIをしたり・・・)

※昔から同じようなことがUBMで言われていたような気がするけど・・

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5824079/


by takeuchi-ganka | 2019-11-07 09:40 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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