関西医大眼科同窓会 秋の勉強会2019 その2 (1186)

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還暦を過ぎた湖崎先生の特別講演。叔父さん譲り緑内障が専門でありながら、父親譲りの斜視弱視の専門家でもある稀な存在です。後者の話は何度聞いても、私の耳をスルーしていましたが、今回は、若干教育講演的だったので、私でも何とか理解しやすい・・(^^) 

2,特別講演 弱視治療の基礎と臨床 湖崎淳

視力の発達

  • M 光覚
  • M 0.01-0.02
  • M 0.04-0.08
  • 1歳 0.2-0.25
  • 2歳 0.5-0.6
  • 3歳 1.0以上(67%)
  • 4歳 1.0以上(71%)
  • 5歳 1.0以上(83%)
  • 6歳 1.0-1.2

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※なるほど・・・ただ、聞き分けのいい子を優秀なORTが最適な条件下で視力測定した場合の話だろうし、実際どうなのだろう。3歳で1.0以上が67%は良すぎる?この視力発達グラフと視性刺激に関する感受性のグラフが提示。視性刺激に関する感受性は、1歳半ぐらいで、ピークで、その後徐々に低下していく。以前は8歳ぐらいで、感受性(-)と言われていたかもしれないが、まだ感受性残っていると・・・。諦めたらあかん・・。


  • 斜視弱視
固定斜視 弱視治療してから手術へ。視力がないと戻るから・・
交代性斜視 弱視にならない。立体視(-)。眼位矯正(手術・プリズム)
  • 屈折弱視:強い屈折異常(強い遠視、乱視が多い)
  • 不同視弱視
  • 視性刺激遮断弱視

遠視

 全遠視 = 潜伏遠視+顕性遠視(随意遠視+絶対遠視)

 顕性遠視は普通にレフして検出される部分。その顕性遠視には、調節努力で良好な視力がでる部分(随意遠視)と調節だけでは無理でレンズ矯正必要な部分(絶対遠視)がある。

視力検査の結果が 0.81.0×S3.0D) の場合、+3.0Dが絶対遠視

オートレフ +4.0Dなら、それが顕性遠視(絶対遠視との差 +1.0Dが随意遠視)

サイプレジン下オートレフ +6.0Dなら、それが全遠視(顕性遠視との差+2.0Dが潜伏遠視)

調節麻痺剤(アトロピン、サイプレジン)

 アトロピン(内斜視もある場合に、遠視度数を完全に検出したい場合)

  6歳以上は1%(20.25%, 50.5%)で、3/日☓5日、2/日☓7日とか・・(湖崎眼科式)

 サイプレジン(遠視だけで、内斜視のない場合)

  副作用:嗜眠・発熱

  球面:遠視-0.5D(調節余力を残す)、乱視完全矯正の眼鏡処方

 不同視弱視

  ※微小弱視に注意(4Δ base out test

 

遮閉治療

1,完全遮閉(アイパッチ)

 終日・部分(3時間/日なら2時間+1時間でもいい)

2,不完全遮閉

①アトロピン:健眼にアトロピン(完全矯正下)、弱視眼で近くを見る。

②ペナリゼーション

  1. nearpenalization:健眼にアトロピン+完全矯正、弱視眼で近くを見せる(+2.0過矯正)
  2. farpenalization:健眼にアトロピン+完全矯正+3.0Dで近くを見せて、弱視眼は完全矯正で遠くを見せる。
  3. Moor Johnson:健眼にアトロピン+完全矯正、弱視眼にウブレチッド(縮瞳剤)で近くを見せる

※遮閉膜:メガネにすりガラス用のシールを健眼に貼って、弱視眼より視力悪くする。2段階視力落とす・・・(6000円)

※アイパッチ:嫌がる子供に布パッチも。アイパッチクラブ(かわいいアイパッチ作成)

  • 完全矯正眼鏡(全期間)+健眼の完全遮蔽(アイパッチ)、遮蔽時間は漸減して、最後に不完全遮蔽も
  • 微小弱視のチェック:4Δ base out testを。検眼が動いて、抑制暗点(-)ならしっかりアイパッチをスタート。
  • 小児眼鏡の外径指定:フレームの直径にあわせて外径指定する。(70mm vs 50mm
  • 同じ度数でも、外径を小さくすると薄いレンズになる?プリズム効果を出さないように・・

  1. 311ヶ月 屈折弱視 サイプレで両眼+5Dぐらい。ほぼそのまま眼鏡処方。11ヶ月かかって0.1から1.0へ。約1年かかって視力が出た。弱視治療は時間はかかる
  2. 311ヶ月 サイプレで+7Dほど。調節余力残して、+6.5Dの眼鏡。1年以内に1.0以上。順調な症例。
  3. 6歳 混合乱視 0.3程度。乱視が強い。乱視を完全矯正して1ヶ月で1.0。これも弱視?
  4. 6歳 強い乱視 0.5程度。乱視4Dほど・・。ほぼ完全矯正眼鏡。徐々に回復して、11ヶ月で1.06歳からでも視力改善可能。
  5. 6歳 遠視性乱視 球面+7D以上、乱視も3D以上。ほぼ完全矯正眼鏡。視力改善ペース遅い。1年たっても効果不十分でも諦めないで、頑張れば視力回復可能性(+)
  6. 511ヶ月 レフ値+3D6Dぐらい、サイプレで両眼6Dほど。少し左右差あり。屈折弱視?、不同視弱視?。視力0.70.4眼鏡のみで、右1.0、左0.6。右眼にアイパッチしたが、左眼視力改善いまいち。更にアイパッチを頑張ってもらって、2年ほどしてやっと1.0。アイパッチ中止は9歳。
  7. 4歳 屈折弱視+調節性内斜視 アトロピンしてスキアして+5Dほど。視力測定できないけど、スキアを元に眼鏡処方して、少し視力測定(0.7/0.2)できて、内斜視(-)に(調節性内斜視確定)。その後右眼にアイパッチ開始。徐々に視力回復して、最後に右眼に遮閉膜で仕上げ。2-3年かけて両眼とも良好な視力に。※スキアからスポットビジョンスクリーナーへ。スキアができなくても、これなら可能。
  8. 3 0.7/0.9。遠視性乱視。不同視弱視? 眼鏡装用だけで半年ほどで視力改善。
  9. 4歳 0.8/0.1。不同視弱視 +3.0/+9.0D先ず眼鏡0.4へ。その後右眼にアイパッチ4時間。14ヶ月で1.0へ。
  10. 511ヶ月 屈折弱視+不同視弱視 0.8/0.4。 +1.25/+6.0D眼鏡だけでは改善しないので、アイパッチして視力徐々に改善して、最後に遮閉膜して、15ヶ月で終了。
  11. 34ヶ月 不同視弱視 +6.25/+1.5 最初から眼鏡+アイパッチ。その後遮閉膜、11ヶ月で終了。
  12. 410ヶ月 斜視弱視。1.2/0.530⊿内斜視。眼鏡だけでは視力でずアイパッチ⇒斜視手術⇒アイパッチ再開26ヶ月で1.2へ。
  13. 37ヶ月 不同視弱視で、大学病院でアイパッチ治療して4ヶ月視力改善しないと受診。0.80.5。サイプレで+2.0/+6.0アイパッチ4時間から再開、2年かけて1.0



弱視治療効果の上がらない場合

  1. 器質的疾患の再チェック
  2. 屈折矯正が正しいか
  3. 眼鏡が正しく装用されているか
  4. 本当にアイパッチできているか(意外と出来ていない)

弱視治療のまとめ

  1. 眼鏡のみでも視力改善することがあり、先ず3ヶ月ほど眼鏡のみで。その後アイパッチ。
  2. 遮閉とペナリゼーション。現実は遮蔽(アイパッチがほとんど)
  3. アイパッチ23時間から(いきなり長時間は無理)
  4. 8歳(10歳)以上でも諦めない。
  5. 治療中止は?突然止めない。徐々に遮蔽時間を減らしていく。アイパッチ中止しても2年は経過を見る。

※治療中止後、+2.0Dの遠視をどうする?不同視、乱視なければ眼鏡しなくても・・・

※弱視治療の最後、0.8から1.0へ持っていくのに、健眼に0.8ぐらいの遮蔽膜を・・。

※最終目標は1.0以上だが・・・。手を打つことも・・

※左右差は気にしないで、相当差があっても(+6D)処方している。

※両眼視は、眼位ずれがなかったら結構育ってる・・・・と思う。


by takeuchi-ganka | 2019-12-02 15:58 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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