2020年 08月 30日
再発性角膜びらん (1229)

この疾患は、一般開業医ならしばしば遭遇しますが。古い話なので記憶も不確かですが、大学病院に勤務していた時は、殆ど記憶にありません。多分遭遇したとしても、単なる角膜びらんで、抗菌剤とコンドロンだして終わってたかも・・^^;
この疾患、通常は外傷性で、格子状角膜ジストロフィーや上皮基底膜ジストロフィーなどに伴うものもあるようですが、見たことないので、触れません。爪や紙で引っ掻いたような外傷による角膜上皮びらんがあって、上皮が修復した後、ほぼ同じ部位に何度も上皮びらんが生じることがあります。再発は1-2回で終わることもあれば、10回近く繰り返すこともある。通常は、抗菌剤やヒアルロン酸点眼を処方して、上皮の修復を待ちますが、回復が遅い場合は、圧迫眼帯したり、ソフトコンタクトレンズを装用させることもあります。



それにしても、何故再発するのだろう。糖尿病があるとか、長らく緑内障点眼しているとか、何かしら角膜上皮に脆弱性があって発症することもあるようですが、そんなケースはむしろ稀な気がします。普通の眼で、特に上皮の接着性が悪い眼ではないのに、一度引っ掻いて上皮びらんができたからと言って何故、何度も再発するのか・・・謎である。もともと上皮の接着性が悪かったとも考えにくいので、外傷時に、ボーマン膜あたりまでダメージがあって、そこの修復が不完全で、上皮が修復しかかっては剥がれるのだろうか。
上皮の接着性で思い出したが、昔後輩が学会発表したのでちょっと記憶がある「epidermolysis bullosa」という難病がある。確か、上皮のanchoring 機能に問題があると聞いていたけど、角膜だけの問題なので、関係なさそう・・・^^;
http://www.midatlanticcornea.com/patient-education/recurrent-corneal-erosions/
http://www.midatlanticcornea.com/patient-education/recurrent-corneal-erosions/