NEW POST

第438回大阪眼科集談会 その2 (1236)

第438回大阪眼科集談会 その2 (1236)_f0088231_18120555.jpg


5 微小嚢胞性の眼窩リンパ管奇形に対して複合治療を行った1

○北口善之、東原大樹、森本 壮、下條裕史、藤野貴啓、西田幸二(大阪大)

眼窩の脈管奇形(毛細血管・リンパ管・静脈・動静脈)の治療法には、手術(摘出)と硬化療法がある。手術は侵襲が大きくて再発しやすいが、硬化療法は侵襲が少ないけど効果も少ない。41歳男性。左眼窩リンパ管奇形で、眼球突出・眼球運動制限あり。緑内障もこのため?ブレオマイシンによる硬化療法を2回して、小さくなったところで、手術摘出。眼球突出改善・眼球運動障害改善・視力改善・眼圧下降・・。

※硬化療法で一般的なのはピシバニール(OK432)だが、ブレオマイシンの方が術後の腫脹が少ない。

 

6 ゴルフボールによる外傷性網膜剥離に対して硝子体手術を施行した1

○岡 雅美、佐藤孝樹、大須賀 翔(大阪医大)、福本雅格(門真市)、喜田照代、池田恒彦(大阪医大)

一応ゴルファーとしては、恐ろしい話。自打球が50cm先の木にあたって跳ね返り左眼に命中。アマチュアゴルファーに無理は禁物。安全な場所にリプレイスしましょうね。ゴルフボールは小さいので眼球にクリーンヒットしやすいく、硬いので致命的になりやすい。今回の症例も、眼瞼裂傷・眼窩底骨折・前房出血・水晶体脱臼・網膜剥離・網膜壊死・強膜裂傷・・。水晶体摘出・硝子体手術・IOL縫着・瞳孔形成行って、(0.2)に。ゴルフボールは怖い。一つ間違うと眼球内容除去に・・

 

7 眼内レンズ強膜内固定術後に駆逐性出血を生じた一例

○中尾拓貴、小川翔吾、安井絢子、井上浩二(永山病院)、本田 茂(大阪市大)

内眼手術の0.19%?意外と多い?眼圧変動・低眼圧による長後・短後毛様動脈の破綻。症例は、69歳女性。高血圧・糖尿病、強度近視にNTGあり。PE(+)PEA+IOL後、一度IOL偏位して縫着され、再度偏位したのでIOL強膜内固定術を。術後深夜に嘔吐・眼痛あり、前房出血で眼底見えず。Bモードエコーで、脈絡膜出血、網膜・脈絡膜剥離。強膜切開して、血腫除去して、その後残存出血徐々に吸収して、最終的に(0.4)。IOL縫着手術は、ハイリスク・・

※昔昔、同じようなケースの経験あり。詳細は秘密だけど、術直後にエコーを撮らされた記憶がある・。同じような手術をしたかな。それと、この駆逐性出血は、脈絡膜で大量の出血が発生して、創口から眼内の様々な組織が出血で駆逐された場合の病名?この程度なら、単なる脈絡膜出血?

 

8 網膜血管増殖性腫瘍による黄斑上膜を認めた1

○服部雄基、盛 秀嗣、山田晴彦、髙橋寛二(関西医大)

62歳男性。網膜血管増殖性腫瘍(retinalvasoproliferative tumor : RVPT)に活動性があり、出血・滲出斑、蛍光漏出があり、ERM(+)。光凝固行った後、ERMが比較的急速に悪化してきたので、硝子体手術(冷凍凝固併用)行った。通常のERMと異なり、細胞成分が多くて、増殖能力高い・・。通常のERMと異なり、早めの硝子体手術が望ましいと・・


by takeuchi-ganka | 2020-10-23 18:12 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31