第34回日本緑内障学会(オンデマンド)シンポジウム3 (1238)

第34回日本緑内障学会(オンデマンド)シンポジウム3 (1238)_f0088231_09481294.jpg
散髪して可愛くなったので、久しぶりの登場(^^)


実際学会に行けば、しばしば前日飲みすぎて、学会場では睡魔との戦いになるのだが、webでいつでも聴講できると思うと、なかなか聴講モードに気分転換できず、集中力がでない・・・。ぐずぐずしていると、あっというまにオンデマンド配信期間は終了してしまう。意外とweb参加も難しい・・・。シンポジウム3を聴いてみたが、やめといたら良かった^^;

34回日本緑内障学会

シンポジウム3

 

線維柱帯細胞・シュレム管内皮細胞の機能と緑内障病態

[演者] 藤本智和(熊本大)

 房水流出路の主経路において大きな働きをしている線維柱帯細胞とシュレム管内皮細胞だが、緑内障患者においては、流出路組織における細胞外マトリックスが増加している。講演内で強調されていたのは、TGFβとステロイド。緑内障患者の房水中で増加することが確認されているTGFβは、流出路組織のECM増加に関与。ステロイドも線維柱帯細胞貪食能低下(ROCK阻害剤で改善可能)、ECM増加・・・で眼圧上昇に関わる。またこのメカニズムにはATXLPAが関与(TGFβでは関与なし)。またステロイドは、シュレム管内皮細胞の透過性低下させる。IL-6MCP1、そしてVEGFは流出抵抗を下げる生理活性物質らしい。流出路における眼圧調節メカニズムの解明が進めば、あたらしい緑内障治療薬の開発につながると・・。※ただ、日本の緑内障のほとんどは正常眼圧なのに、それほど主流出路への働きかけが重要なのだろうか・・

網膜神経節細胞の蛋白発現異常と緑内障病態

[演者] 佐瀬佳奈(聖マリ医大)

TNF誘発視神経障害モデルにおける軸索保護作用とオートファジーの関係。オートファジーの障害は、ALSやパーキンソンなど様々な疾患と関連あり。

http://s-park.wao.ne.jp/archives/1515 

TNF誘発視神経障害モデルで、短期高血糖が軸索保護作用を示し、オートファジー阻害剤投与で、保護作用がなくなる。オートファジーのマーカーでも確認。オートファジーに神経保護作用?オートファジー誘導体のAkebia SaponinD (ASD)投与で、このモデルにおいて神経保護作用を確認。

http://www.igakuken.or.jp/retina/topics/topics5.html 

https://www.abcam.co.jp/cancer/erk12-signaling-in-cancer-1 

更に、この神経保護作用にMAPKシグナル抑制が関与?神経障害モデルでp-p38上昇。p38阻害剤でRGC死抑制。高眼圧モデルでもp38阻害点眼で軸索障害抑制可能。p38 inhibitorであるSB203580は、TNF誘発視神経障害モデルで軸索障害を抑制し、しかもオートファジーの抑制を打ち消して、神経保護へ・・。

※眼圧を下げることで、遠回しに、神経保護しているのだが、遠い将来、緑内障においては、神経節細胞死を抑制する治療が普通になるのかも・・

緑内障と視覚中枢の変化

[演者] 野呂 隆彦(慈恵医大)

ヒト緑内障では外側膝状体(LGN)や一次視覚野(V1)で、変性、萎縮が確認されているが、この発表では、正常眼圧緑内障(NTG)を自然発症した小型霊長類のコモン・マーモセットを対象に研究。マーモセットの網膜視神経はヒトに類似している。脳の構造もヒトに近い。脳脊髄液と緑内障との関連研究もヒトでは難しいが、マーモセットなら・・。MRIVBM解析(脳の体積を解析する)で検討すると、V1領域の体積減少(萎縮)、LGNM細胞層が有意に減少。またV1Layer4の細胞数が有意に減少。脳脊髄液圧低下し、髄液中BDNF低下している。NTGマーモセットでは、篩状板を挟んでBDNF濃度低下。

多数例の検討というには程遠いが、このNTGを自然発症するマーモセットを使えば、緑内障の真実にもっと近づけるのかも。緑内障は、眼圧が上昇に伴うRGC死で、眼圧下げる治療を懸命に行っているのだが、RGCに対応した中枢神経での変化や、更に脳脊髄液の関与について理解が深まることが期待される。

※コモンマーモセットの寿命10歳なので、NTGの自然発症はなかなか待てないので、できれば早期発症のモデルを作りたい・・

緑内障における酸化ストレスとミトコンドリア障害

[演者] 檜森 紀子(東北大)

酸化ストレスと緑内障の深い関係あり。酸化ストレスの原因としてミトコンドリア障害。ミトコンドリア障害とRGC死。緑内障とミトコンドリア障害については、関連論文多数あり。

臨床研究:ミトコンドリア障害マーカー(mtDNA/nDNA)が、緑内障患者で高い(ミトコンドリア機能低下)。また グルタチオン(酸化型・還元型)については、緑内障患者で、酸化型グルタチオン上昇、全身のミトコンドリア機能障害と関係あり。

Keap1-Nrf2システム(定常状態 ⇔ 酸化ストレス状態)。軸索障害において、Nrf2は神経保護的に働く。ロテノン投与(電子伝達系ComplexⅠ阻害)による研究(ミトコンドリア障害)実験。野生型とNrf2KOマウス(神経保護(-))にロテノン投与。ロテノン投与によるRGC障害明らか。ミューラー細胞(Vimentin)の有意な上昇。野生型では、ロテノン投与によるミトコンドリア障害時に、ミュラー細胞から抗酸化酵素が分泌。Nrf2KOマウスで抗酸化酵素の発現低下。ロテノン投与するとミュラー細胞からの神経保護因子の分泌増加。

※ミトコンドリア障害によるRGC死を保護するシステム(ミュラー細胞の役割)の解明・・って事かな。


by takeuchi-ganka | 2020-11-15 09:49 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31