関西医大眼科同窓会 秋の勉強会2020  (1240)

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日本の伝統的お遊戯が受け継がれている・・・(だるまさんがころんだ?ぼんさんが屁をこいた?)


クラッシュしたHDDから大枚はたいてレスキューできたので・・・・^^;

 

我々の時代には、偉大な宇山教授がおられたものの、レベル高い角膜専門家がいなかったので、今の医局員が若干羨ましい・・・と思いながら聴講。

 

関西医科大学附属病院

角膜外来の病診連携

関西医科大学眼科 佐々木香る 先生

 

1,原因不明結膜炎

2,角膜線状病変

3,ステロイド可否

4,感染性角膜炎(緑膿菌>アメーバ>真菌)

 

 

1,原因不明結膜炎

50歳男性。両眼充血・眼痛。EKCが疑われたが、アデノキット陰性。ステロイドと抗菌剤で改善しないで、角膜上皮障害も出現して紹介へ。PCRまでして、アデノ検出されたが、角膜上皮障害の原因は、上眼瞼結膜の分厚い偽膜

30歳男性。EKCが疑われ近医2件受診。抗菌剤・ステロイドで改善せず紹介。アデノキット陰性だが、ただ、耳前リンパ節高度に腫脹して、EKC疑わしい。上眼瞼翻転すると、結膜に分厚い偽膜形成。

40歳女性。3ヶ月前から複数眼科受診。抗菌剤・ステロイド・抗菌剤軟膏で改善しない結膜炎。角膜上方周辺部に潰瘍+浸潤?角膜には異物型の上皮障害があり、上眼瞼翻転すると、重瞼術の縫合糸の露出あり。

※臨床眼科に演題:『美容形成埋没法重瞼術後及び上眼瞼手術後に長期経過して生じた角結膜障害の5症例』

※原因不明といっても、真面目に上眼瞼翻転すれば答えは見つかるケースでした。

※他に、涙道疾患に伴う角結膜疾患もあり(ちょっと盲点かな)、涙道閉塞にも注意を払いましょう。

 

2,角膜線状病変

① 40歳女性 充血・眼痛で眼科受診し角膜浸潤・びらんあり、抗菌剤点眼処方され、その後改善しないので、ACV軟膏追加され症状悪化して紹介。このケースはカタル性角膜潰瘍。好発部位は、瞼縁に接触する部位に好発する。瞼縁が汚い中高年に多い。浸潤病巣が最初で、その一部に上皮欠損が生じる。

※角膜線状病変をきたす疾患には、カタル性潰瘍・アカントアメーバ・ヘルペス・薬剤毒性・再発性びらん・・・などがある。上皮型ヘルペスは、必ず細胞から細胞へ広がっていくので、線状病変に連続性がありその先端部分は膨大していて、それ以外の部分は正常。基本角膜中央にできる。アカントアメーバ角膜炎は、偽樹枝状。ヘルペスと異なり、染色される上皮障害に連続性がない・・。強い毛様充血があり、中央に不均一な浸潤。そして神経炎が特徴。輪部から入ってくる浸潤病巣。これと鑑別が難しいのが、カラーコンタクトレンズ障害。色素に対するアレルギーも伴うので、不気味なSPK、不均一な浸潤、強い充血があり、鑑別難しい。神経炎を見逃さないように・・

※再発性角膜上皮びらん:浮き上がった上皮に注目

※薬剤毒性角膜炎:樹枝状病変以外の角膜がきれいではなくSPK多い。

※謎の地図状の病変?:何度もヘルペスが再発して、薬剤毒性加わり、カルシウムが沈着し、ひび割れて樹枝状病変。アシクロビル投与され、更に薬剤毒性強くなり難治となる・・・

 

3、ステロイドの使い方

20歳代女性。たびたび霰粒腫。角膜に浸潤病巣と血管侵入。MRKCと思うが、まずは抗菌剤いれる。一旦充血強くなる。この悪化は、免疫反応が増強しているだけので、ステロイドを入れて抑えると治癒へ向かう。

マイボーム腺炎角膜上皮症(MRKCmeibomitis-relatedkeratoconjunctivitis:若い女性・傍中心部に白色浸潤・太い血管侵入・他の部位はきれいで、浸潤があっても上皮欠損はわずかで、菲薄化orフリクテン型。これは感染じゃなくて、アレルギー反応。この何となく掴みどころのない疾患の、病態を把握できたのは、開業して、だいぶ時間が経過してからでした・・。今どきの研修医が羨ましいな。

10歳代男性 上記パターンに当てはまり、MRKC。デキサメタゾンとガチフロを3/日点眼とクラリスロマイシン内服200mg/日も。

3歳のMRKC。デキサメタゾンとセフメノキシム点眼2/日。マイボーム腺梗塞があって、アジスロマイシン内服追加(どうしても内服させたければ、食べ物に混ぜてでも・・・)。

 

4,自家感作性皮膚炎・乾癬

眼瞼・眼粘膜疾患に、結膜炎を伴うケースの増加。提示症例は、近医で、フルメトロン、抗菌剤内服、ドライアイ治療、悪化してキノロン点眼追加してSPK治らなくて紹介。治らない眼瞼炎は、点眼引き算軟膏はまつ毛の近くに塗らない(マイボーム腺梗塞誘発)。ネオメドロールは止めましょう(接触性皮膚炎多発)。治療は、デキサメタゾン点眼1-2/日、セフメノキシム点眼1-2/日、クラリス2錠で・・

※キノロン耐性コリネに注意。

※点眼は強く短く、そして少なく、内服も。

 

5,感染性角膜炎

症例: 40歳代女性。兎眼を伴う感染性角膜炎

まず、結膜培養は意味がない。培養は必ず角膜から。(検体採取には、はんだやのHS-2535がオススメ。)結膜培養では、CNSがチョットで、角膜擦過塗抹ではグラム陰性桿菌が多数なことも・・。角膜擦過すると一時的に病変悪化(前房蓄膿・角膜後面沈着物増加)するが、そこで慌てない。(ガチフロ毎時、セフメノキシム2時間毎、オフロキサシン軟膏1回、アトロピン点1回:この処方をキープ)。効果判定は掻爬3日後から。その後徐々に改善しても、途中でまた一見改善が止まる?病巣に壊死物質・炎症産物が蓄積しているから。この場合デブライドメントが必要。我々には怖くてできないけど、これをすることで、薬剤の浸透性もよくなると・・。また薬剤の効果判定は、毛様充血・前房蓄膿・眼脂・角膜後面沈着物は目安にするが、上皮欠損・局所の白濁は指標にしない。更に治療がすすみ、また改善が止まることあり。薬剤毒性・遷延性角膜上皮欠損に注意して、整地・消炎・そして水分を供給しましょう(薬剤減らして、ヒアルロン酸とフルメトロンなど・・)と。注意すべき所見は、上皮欠損・カルシウム沈着、辺縁の混濁、周囲にSPK・・・に注意。アミノグリコシド系抗生物質やアシクロビルで生じやすい。

 

治癒に至るまでにクリアすべき難関ポイント

1)起炎菌検出・掻爬後悪化

2)薬剤効果判定

3)炎症産物蓄積

4)薬剤毒性・消炎

 

最後の仕上げにステロイド点眼使用はあり。細菌性角膜炎において、局所ステロイド併用は、長期臨床予後の改善と関連する。起炎菌が検出できていて、感受性がわかって、抗菌剤の効果が確認されている場合だけ。slow cycling菌(ノカルジア・結核など)には禁忌。

 

紹介のときの注意

①将来バンコマイシン使用が容易になったとしても、使わずに紹介してほしい。起炎菌検出できなくなるかも・・。

②抗真菌点眼(ピマリシン)も入れずに紹介してほしい。点眼すると、真菌が角膜後面に移動して病巣拡大するので。コンタクトレンズケースの確保は重要。

③初診時の写真があれば、参考になる。

④アカントアメーバ角膜炎は治癒まで半年以上かかる。治療には、メンタルのサポートも重要。

 

その他の取り組み

デルモイド・角膜穿孔での表層移植

再発性翼状片への羊膜移植

水疱性角膜症への内皮移植(現在は永田眼科にて)

 

 

 

 


by takeuchi-ganka | 2020-12-05 16:23 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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