2020年 12月 26日
第439回 大阪眼科集談会(web) その1 (1241)
※だいぶWebの勉強にも慣れてきたけど、若干集中できない。ライブの方が緊張感あるけど、オンデマンドはトイレも行けるし珈琲も飲めるから便利かな。
第439回大阪眼科集談会
主催:一般社団法人大阪府眼科医会
1 急激な夜盲を自覚し経過中に肺癌が見つかった自己免疫網膜症の1例
○岡本淳史、森本 壮、下條裕史、西田幸二(大阪大) 、満岡友祐(市立東大阪医療センター)
69歳男性。主訴夜盲(急にこんな自覚症状が出る事自体珍しい・・)。3月下旬に夜盲自覚して、4月に眼科受診して、CFF低下、対光反射も悪い。視神経炎疑われて、ステロイドパルスするも改善なし。
5月に肺腫瘍みつかり、7月に摘出され、眼科紹介受診は9月。視力は右(1.2)、左(1.0)と良好だが、CFF20/25と悪い。ハンフリー視野はほぼ真っ黒だが、GPは中心比較暗点・・・と乖離したデータ。眼底・自発蛍光・OCT全て異常なし(ちょっとびっくり)。ただERGで桿体系ノンレコ、桿体錐体混合反応陰性b波、錐体反応square a波・・と停止性夜盲(らしい)。肺癌手術後ということもあり、自己免疫性網膜症疑い、抗TRPM1抗体調べて陽性に。
※TRPM1:https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/22_letter/data/news_2009_vol4/p15.pdf
2 3種類のヘルペス系ウイルスが眼内液から検出された両眼性急性網膜壊死の1例
○髙松文乃、小林崇俊、豊永良子、水野博史、佐藤孝樹、喜田照代、池田恒彦(大阪医大)
81歳女性で、消化管のT細胞性リンパ腫が全身に転移して、化学療法後、VZVを臀部に発症した後、両眼のARNに。発症から1ヶ月以上経過していたので、右眼全剥離(?)、左眼も広範囲に黄白色滲出斑。視力も右眼はSL±、左眼(0.06)。で、両眼からVZV、右眼からはEBVとHHV-6も検出された。右眼は非常に進行していて、最終的にSL(-)、左眼は(0.15)を確保。
※ポイントは右眼は重複感染なので重篤に?それとも偶々見つかっただけで病原性なし?理科研のQ&Aに記載では、EBVやHHV-6は見つかったからと言って、感染の原因とは限らないと・・・
http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/faq.html
3 当院における眼科網羅的感染症検査の取り組み
○三澤宣彦、田上瑞記、坂井 淳、本田 茂(大阪市大)
http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/index.html
眼感染症網羅的PCR12連strip
http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/strippcr.html
IgH遺伝子再構成PCR
http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/igh.html
65人67眼の検体を理科研に送った。
眼内液陽性例:眼内リンパ腫疑いでHHV6とEBV、ブレブ感染でカンジダ、眼内炎で細菌S16など・・・
症例1:39歳女性 左眼硝子体混濁⇒HTLV-1陽性⇒HAU
症例2:48歳男性 両眼硝子体混濁⇒細胞診(-)、網羅的PCR(-)、IL-10/IL-6比100倍、IgH遺伝子再構成PCR陽性⇒リンパ腫治療へ
※だんだん、ぶどう膜炎の診断が洗練されてきた・・
4 デスメ膜内皮移植術(DMEK)後2週間以内に視力が大幅に改善した3例
○若山典子、江口 洋、堀田芙美香、日下俊次(近畿大)
実質を伴わない移植片を用いるDMEKは、DSAEKよりも視力回復が早いらしい。早い症例では、10日後には1.2に。水庖性角膜症になって結構時間が経過していても。今は、基本的にDMEKを行っていると。
※DMEK移植片って、表裏あり?
https://www.oclvision.com/help-centre/recovery-after-surgery-for-fuchs-dystrophy/
https://www.reviewofoptometry.com/article/blurred-lines-43100
http://ganka.w3.kanazawa-u.ac.jp/contz1/img/000076_main_file_1.pdf