皮膚科領域とクロスしそうな疾患 その2 (1283)

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夏に見られる数少ない花のひとつ、トウカラスウリ

2,カポジ水痘様発疹症

単純ヘルペスウイルスによる眼瞼炎。アトピー性皮膚炎患者に発生する播種状・びまん性病変。これも三叉神経節に潜伏感染しているウイルスの再活性化によるもので、『皮疹は発赤を伴う小水疱の集簇で、小水疱に中心臍窩を伴うのが特徴』。ポイント発赤・水疱・中心臍窩でしょうか。顔・頸・上半身が好発部位で、眼の周りに発疹が出たときに眼科にやってくる。帯状疱疹も同様に小水疱に中心臍窩を伴う。鑑別は発疹の分布領域だけ?帯状疱疹は基本片側性で両側性は稀。

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3,伝染性膿痂疹

虫刺・湿疹などを引っかいた傷や、擦り傷が細菌感染し、それを手で掻きむしって、広がっていく。今日の臨床サポートによれば、水疱性と非水疱性があり、『水疱性膿痂疹では小水疱が形成され、その後、黄色の漿液を内包する弛緩性水疱が形成される。それが破綻すると茶色の薄い痂皮が形成される。通常黄色ブドウ球菌でこれが殆ど(ある報告では98%)。非水疱性膿痂疹は丘疹から始まり、その後、周囲に紅斑を伴う小水疱を形成し、さらにその後、表面に黄色の痂皮を形成する(化膿性レンサ球菌)。』 年齢は0歳から7歳ぐらいまで、夏に多い。7割はセフェム系抗生物質が有効で、残りはMRSA

※多くの場合、ガーゼや包帯で患部を覆ってあれば、登園・登校を制限することはないが、眼の周りだとやりにくいかも。

※発疹の分布が、カポジ水痘様発疹症ほど集まっていない筈








by takeuchi-ganka | 2021-08-10 11:43 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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