
第24回京阪沿線眼科勉強会
枚方方面のカリスマ眼科医Y先生が主催されている勉強会にWeb参加。教育講演講師の立派な後輩の肩書が、全員○○教授に。
教育講演
1,保険診療内での多焦点IOLにどこまでのクオリティを求めるか 尾辻剛
主としてレンティスコンフォート(分節状屈折型)の話。多分遠用にしっかり合わせると近用部分は少し弱くなるだろうが、ハロー/グレアがなくて、保険適応の眼内レンズに対する期待は大きい。優秀なレンズだが、散瞳不良、水晶体振盪、術後眼鏡をかけたくない、シャープな見え方を希望する人には向いてないらしい。
2,中規模大学病院ならではの手術加療 垰本慎
手術の得意な垰本先生が、香里病院に移って10年間の成績。私も、30年以上前に、古めかしい香里病院に2年ほど勤務したことがあるが、この病院も香里園の駅前もすっかり様変わりしています。私の知る彼は、まだ入局したばかりの爽やかな好青年でしたが、いまや角膜から硝子体まで、守備範囲の広い優秀なサージャンになっているようです。小さな病院ならではの柔軟な対応もあり、近くにこんな病院があればいいな・・と思わせてくれるレベルに仕上がっているようです。
※峠本くんは、車の中で話していたのかなあ・・
3,病診連携によるきめ細やかな加齢黄斑変性治療 永井由巳
ペガプタニブ(マクジェン)は昨年発売中止に。抗VEGF治療①ラニビズマブ(ルセンティス)、②アフリベルセプト(アイリーア)に、最近ブロルシズマブ(ベオビュ)が加わった。もう何度も聞いているが、薬剤の投与方法には、何種類かあり、定期的に投与する①Fixed dosingと、滲出の有無に関わらず投与するが、滲出があれば間隔が広がる②TAE、滲出のある時だけ投与する③PRNがある。
関西医大では、ラニビズマブで20-40%、アフリベルセプトで30-45%が、導入期の3回だけで、その後1年以上再投与(-)という結果をふまえて、滲出が再燃しなければ経過観察して、再燃したら再燃までの期間をもとにTAEとする④modified TAE法で行っている。
新しい薬剤のブロルシズマブは、先行する薬剤が効かない症例に有効であったり、投与期間を伸ばせたりできるものの、眼内炎・網膜血管炎の発症リスクが高く、要注意。