第444回 大阪眼科集談会 その1 (1294)

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この時期にまだ暑いなんて・・^^;(生石高原)


1 Leber遺伝性視神経症(LHON)のミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の点変異を有する小児の兄弟例

○尾村里奈、森本 壮、西田幸二(大阪大)

この疾患で個人的にいつも思い出すのは、全く緑内障としか思えない視神経をしていた症例だが・・・

『診断に苦慮したLeber遺伝性視神経症の1例』あたらしい眼科 (0910-1810)281Page139-143(2011.01) 要するに、この遺伝性疾患は最初に神経節細胞が変性するので、どの部位の神経節細胞かにもよるだろうが、ときに緑内障に類似していてもいいのかもしれない。

症例は、家族歴のある兄弟で、G11788Aがある。7歳の弟は発症していて、視神経萎縮、視力低下がるが、10歳の兄は未発症。弟は、ビタミンB2内服で、微妙に改善?兄は経過観察のみで、不変。今後リスクファクターの回避が重要?飲酒・喫煙・糖尿病・外傷・・・・など。

https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/LHON.pdf

2 重症筋無力症が疑われ、精査の結果Keans-Sayre症候群と判明した小児の1

〇藤原 秀、森本 壮、西田幸二(大阪大)

10歳女児。右眼瞼下垂、顎の挙上(+)。提示写真は軽度で、スルーしてしまいそう・・・。アイスパックテスト陽性で、重症筋無力症疑われた。⇒テンシロン試験軽度陽性、ただ抗AchR抗体陰性。何故か頭部MRIしていて、外眼筋萎縮・皮質下白質高信号。

眼瞼下垂と眼球運動障害(あった?)があれば、鑑別診断として、重症筋無力症とKeans-Sayre症候群/CPEOがあがるらしい。眼底は異常ないようにも見えるけど、網膜色素変性症様?最終的に髄液/血液5-MTHF低下、ミトコンドリアDNA単一欠失(+)で、KSSと診断。

KSS3主徴として、進行性外眼筋麻痺(眼瞼下垂・眼球運動障害)、網膜色素変性症、心伝導障害。よくこの症例で、診断にたどり着いたなあ・・・と感心。第一印象と眼底所見が大切らしい・・

https://gankenkasui.takada-ganka.com/blog/gankenkasui/997

アイスパック試験:冷凍したアイスパックをガーゼなどに包み、35分間上眼瞼に押し当てることにより、眼瞼下垂が改善すれば陽性と判定する試験。感度は8092%、特異度は25100%と、感度は高めですが特異度にばらつきあり。

易疲労性試験:患者に上方視を最大約1分程度続けさせ、眼瞼下垂が出現または増悪すれば陽性。感度は80%、特異度は63%。これも感度高いが、特異度やや低い。

https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/mg/milestone/mi07/01.php

3 視神経鞘転移をきたした乳癌の一例

○春名優甫、居 明香、山本 学、河野剛也、本田 茂(大阪市大)

乳がんの転移先は、骨・肺・皮膚・リンパ節・・・・などがメインで、眼は0.2%。その殆どは脈絡膜。視神経へはまれ。62歳女性。30年前に乳がん手術既往。2ヶ月前から左眼視力低下と眼球運動痛(+)。近医でCFF低下。視力 (1.2)/(0.5),CFF 45/15、左RAPD陽性。眼底所見異常なし。左視野は中心・傍中心暗点多数。MRIでも異常がないので、ステロイドパルスへ。効果なくて経過観察していたら、更に悪化。視力0.06。その後MRIで視神経鞘に転移病巣みつかる。

他の中枢神経系へも転移していることから、髄膜播種による転移かも。この場合、初期には画像診断不可能らしい。


by takeuchi-ganka | 2021-10-08 20:47 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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