2021年 10月 09日
第444回 大阪眼科集談会 その2 (1295)
4 視力低下をきたしたギランバレー症候群の一例
〇塩﨑大起、森本 壮、西田幸二(大阪大)
15歳男児。急に左眼の内転障害。視力(0.3)/0.05(n.c.)。・・・・両眼視神経炎、左眼眼球運動障害(全方向)、右顔面神経麻痺・・・・⇒視神経脊髄炎、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群・・
ステロイドパルス治療して、回復へ。
https://www.neurology-jp.org/public/disease/neuropathy_i_detail.html (日本神経学会:ギラン・バレー症候群)
※『先行感染病原体のもつ糖脂質に似た構造に対して産生された抗体が、末梢神経の糖脂質と結合して神経障害をきたすというのが発症機序のひとつ』と考えられている。
https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/gbs/expert/03/02.php
5 トシリズマブを使用した動脈炎型前部虚血性視神経症の1例
○後藤拓磨、廣川貴久、柊山友里恵、戸成匡宏、奥 英弘、喜田照代(大阪医薬大)、和田裕美子(大阪医薬大膠原病内科)
78歳女性。側頭動脈腫脹、顔面・左顎下腺腫脹、その後左眼視力低下、近医受診して、動脈炎型AION。ステロイド治療行ったが、改善(-)。側頭動脈生検で、巨細胞動脈炎。この疾患は、発症すると予後不良。ただ、高頻度で僚眼にも発症するらしく、そのためにもステロイド必要。漸減中止すると発症リスクがあり問題。IL-6受容体モノクローナル抗体のトシリズマブ(TCZ)が使われるように。
http://showa-u-rheum.com/2021/04/4006/
『新規発症の巨細胞性動脈炎と高安動脈炎の患者に対してトシリズマブ(TCZ)単剤による寛解導入療法を行い、有効性と安全性を評価した。トシリズマブ(TCZ)単剤治療は巨細胞性動脈炎と高安動脈炎に対してステロイド薬の代替治療になり得る。』ステロイドよりは安全なのだろうが、いつまでも?
6 カラーコンタクトレンズ装用者に真菌性角膜炎を生じた1例
〇切石達範、三木克朗、前田敦史(関西医大総合医療センター)、三間由美子(大阪市)、西村哲哉(関西医大総合医療センター)
49歳女性。糖尿病、高血圧、気管支喘息、解離性同一性障害(多重人格?何か関係のあるのだろうか・・・気になる)。眼底には増殖性糖尿病網膜症(+)。カラコンしていて、右眼痛。白色プラーク+上皮障害。コンタクトレンズ保存液から細菌・真菌(+)。白色プラークの擦過・培養から糸状菌(Fusarium)。最終的に治癒したが、使用した薬剤は、当初レボフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、ピマリシン、ボリコナゾール(ブイフェンド)の自家製剤点眼など。ボリコナゾール点眼が有効だったのかな。