第445回 大阪眼科集談会 その1 (1232)
2021年 12月 15日

今年最後の集談会。もう第445回。年6回開催されるとしたら、初めて集談会に参加したのは、218回ぐらいだったのかも・・。最近すっかりライブ配信に慣れてしまった。楽に座れる椅子に、珈琲とお茶菓子をセットして、パソコンを立ち上げ、ライブ配信が始まるのを待つ。楽ちん視聴。これがオンデマンドだと更に緊張感はなく、ウトウトしても、時を戻せばいい。再び、会場でメモをとる身体に戻れるのだろうか・・・
第445回大阪眼科集談会
<ライブストリーミング配信> 令和3年12月11日(土)14:00~17:00
1 硝子体保護目的として後部硝子体を残して眼内異物除去を行った一例
○矢倉達弥、西田健太郎、西田幸二(大阪大)
眼内異物は、基本的には、しっかり硝子体を切除して、異物をフリーな状態にしておいて、摘出するのが王道なのだろうが、今回の眼内鉄片異物は、なかなかセッシでつかめず、把持が不十分で網膜に落下させてしまった時に、硝子体がクッションになったので、これで網膜保護できる・・・と思いついて報告?若年でPVD(-)であり、コアビトしてから、異物摘出して、その後に全て切除。同じ目的の為に、パーフルオロカーボンやシリコンオイルを使う可能性あり?王道の方が安全?
2 Bモード所見が鑑別に有用であった硝子体血管系遺残(PFV)の一例
〇寺尾美弥、森本 壮、下條裕史、河本晋平、西田幸二(大阪大)
症例は生後14日女児。左眼角膜混濁、眼底透見不能。Bモードで全剥離?Bモードの解釈がよく理解できなかったけど、視神経乳頭から水晶体後方へ繋がる索状病変が捉えられたら、PFVの可能性が高くなるし、腫瘤病変であれば、最悪網膜芽細胞腫を念頭において、石灰化(その他、音響空胞・脈絡膜陥凹など)に注意を払う必要あり。
※第一次硝子体過形成遺残(PFV; persistent fetalvasculature またはPHPV;persistent hyperplastic primary vitreous)は、眼球の中のゼリーのような硝子体という組織と、そこに含まれる血管が発達の途中でうまく消えずに残ってしまう疾患。70~90%は片眼だけに発症し、遺伝性はないといわれています。原因は不明です。眼科的、全身的な先天異常との合併例もあります。(日本小児眼科学会HPから)
https://www.aaojournal.org/article/S0161-6420(15)00915-X/fulltext
3 最大容量の緑内障点眼中の症例にパターンレーザー線維柱帯形成術を施行後6か月の有効性についての検討
○渡邊愛子、上野洋祐、西野智之(大阪市大)、田町知子(泉大津市立病院)、小川翔吾、本田 茂(大阪市大)
古い人間としては、昔から行われているこの手の手技には懐疑的。たとえ、どんなレーザーでどのように照射したところで、その効果は限定的で、ブレイクスルーはなし?PLT効果は徐々に弱まる・・?ただ、様々な理由で観血的手術が行えないケースにおいては、一応、眼圧下がるようなので、適応ありかも。SLTと同程度?