第445回 大阪眼科集談会 その2 (1233)
2021年 12月 17日

4 緑内障における多点刺激法を応用したタブレット型視野計Multi-Stimulate Visual field test(MVT)の有用性
〇七部 史、石橋眞里佳、松本長太、野本裕貴、日下俊次 (近畿大)
10.1インチのタブレットで、25cmの距離で行う視野検査。両眼開放で行うエスターマンのような重症視野障害の評価と、片眼遮蔽で行うスクリーニングがある。フリッカー刺激による多点刺激法や4点刺激法がある。MD値と相関があって、検査時間は2分弱。特異度・感度ともに高く有用。
スマホと違って、タブレット保有人口はあまり多くないが、アプリを自由にダウンロードできて、自分で検査が行えるようになったら、非常に多くの未発見緑内障が見つかるかも・・
5 虹彩毛様体炎の再発時に、ステロイド点眼が奏功した脈絡膜肥厚を伴う原田病の一例
○田町知子(泉大津市立病院)、河野剛也、三澤宣彦、二瓶亜樹、田上瑞記、本田 茂(大阪市大)
虹彩毛様体炎といっても、原田病。再発した時、CCTが厚くなっていたら、内服・点滴・STTAが必要な気もするのだが、点眼のみで、右眼264→155、左眼270→192に。症例によっては、再発時点眼治療だけでもOK?
※再発時CCTが264や270って、ごく軽度脈絡膜肥厚だから点眼だけで良かったのかも・・
6 血管新生緑内障を両眼に発症したサルコイドーシスの一例
〇堤 啓志郞、河本良輔、小林崇俊、根元栄美佳(大阪医薬大)、前田美智子(川西市)、照林優也、田邉ゆき(大阪医薬大)、森下清太(大阪市)、喜田照代(大阪医薬大)
69歳男性。硝子体混濁があって、悪性リンパ腫が疑われて、PEA+IOL+ビトしたが、細胞診陰性。その後NVG発症。Td/Ts=33/42mmHg。左眼PAS80%。網脈絡膜滲出斑・萎縮病巣あるが、広範囲のNPA(-)。腕網膜時間も異常ないし、頸動脈エコーも異常(-)。だったら何故NVGに? ステロイド・抗VEGFに対する反応したから、やはり遷延した炎症が原因・・。ちょっとわかりにくい。
前額部の皮疹を生検して、サルコイドーシスの確定診断。両眼ともVFD(+)(特に左眼)。Td/Ts=41/53まで上昇したので、左眼にアーメド入れて、10前後に。ただ右眼も何故か20前後に下降。レクトミーじゃなくて、いきなりアーメドなのがイマドキの判断?