第446回 大阪眼科集談会 その1 (1240)
2022年 02月 09日

結構大きい獲物ゲット
1 円錐角膜における2種類の波面センサーによる眼球波面収差の比較
○岩本悠里1)、高 静花1)、井上亮太2),3)、三橋俊文4)、相馬剛至1)、大家義則1)、前田直之5)、西田幸二1) (大阪大1)、大阪大視覚先端医学2)、シード3)、帝京大視能矯正学4)、大阪市5))
PentcamAXL wave(OCULUS) VS KR-1W(トプコン)
https://www.pentacam.com/axl-wave/public/index.php
https://topconhealthcare.jp/ja/products/kr-1w/
ゼルニケ係数:https://coopervision.jp/sites/coopervision.jp/files/drsalmonnews201212.pdf
普通の眼では、ゼルニケ係数に良好な相関があるが、円錐角膜眼ではあまり一致しない・・・らしい。
2 ステロイド内服中に発症したStevens-Johnson 症候群の一例
○川口奈都美、岩橋千春、堀田芙美香、日下俊次(近畿大)
15歳女性、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)でステロイド投与(パルス後内服)中にSJS発症。結膜充血・偽膜・角膜びらん・・・・。DLST(薬物リンパ球刺激試験)で陽性だったのは、カロナール。
https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/index.cgi?c=speed_search-2&pk=1004
治療は、ステロイドパルス後内服。リンデロンの頻回点眼が基本治療。
※SJSについては、先日勉強したばかり・・⇒
https://takeganka.exblog.jp/32563102/
※何故EGPA治療中に、SJSが発症したのか?免疫再構築症候群(immune reconstruction inflammatory syndrome:IRIS)?⇒初めて聞いたような疾患名だが、『HIV患者に有効な治療を行った後、機能不全に陥っていた免疫担当細胞、CD4陽性Tリンパ球を中心として、単球、マクロファージやNK細胞などの機能が回復することによって免疫能が再構築された結果、体内に潜伏していた病原体などに対して過剰な免疫応答を惹起されたのが本体と考えられている』 HIVに限らず、免疫が抑制されている様々疾患でも起こりうる?IRISには2種類あるようで、『unmaskingIRIS』は、例えばHIVの治療をしていて、治療が効いてきたとき、隠れていた病原体、例えば結核や帯状疱疹が発症するケース。『paradoxical IRIS』は、例えば結核があって治療して寛解した後、HIV治療すると結核が悪化するようなケース。今回は、EGPA患者において、ステロイド治療によって免疫能が回復することで、カロナールに対する異常な免疫応答:SJSが発症した?
http://eye.sjs-ten.jp/doctor/research
3 アカントアメーバ角膜炎による角膜新生血管に対しベバシズマブ結膜下注射を行った1例
○田中万理、佐々木香る(関西医大)、豊川紀子(奈良市)、北脇知己(関西医大統計学)、髙橋寛二(関西医大)
アカントアメーバ角膜炎の視力不良例に見られるのが角膜血管新生。通常ステロイド点眼で対応するが、奏功しなかったり、眼圧上昇でステロイドが使えない場合に、ベバシズマブを?アカントアメーバ角膜炎の基本治療は、抗真菌剤・消毒液・抗菌剤・・・などを長期に渡って行い、原疾患が十分抑えられていると判断された後、角膜新生血管に対して、ステロイド点眼行い効果がなかった場合、ベバシズマブの結膜下注射。新生血管に対する治療効果判定は、画像解析して判断。有効性を確認。