ちょっと気になる疾患 その2 細菌性結膜炎 (1250)

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細菌性結膜炎には、インフルエンザ菌や肺炎球菌が原因の子供に多い結膜炎と、主にブドウ球菌が原因の高齢者に多い眼瞼炎を伴う結膜炎と2つのタイプがあるが、ここで問題にするのは後者。教科書的な記述は、この手の疾患の場合どうなのだろう。結膜炎が軽微な場合に、専門医に相談することは皆無であり、専門医の眼に触れるのは、よほど重症の場合か、何度も再発して点眼薬が効かない場合、鼻涙管閉塞や涙小管炎を伴っている場合など、特殊なケースに限られるような気がする。私のような、ごく普通の開業医が、しばしば遭遇する細菌性結膜炎と教科書的な記載には、若干隔たりを感じたりする。

この疾患は、非常に身近な疾患で、簡単に解決しそうなのだが、なかなか完全に解決しないことも多い。眼脂を培養して、耐性菌でないこともあれば、多剤耐性の事もあるが、再発を繰り返しているのに、培養で検出されないことも多い。多くはニューキノロンの点眼で治癒するのだが、徐々にそうでない場合も多くなってきた。そんな場合、ベストロン(セフメノキシム)点眼を使うことが多く、一旦治まるのだが、そうでない場合もある・・・。

眼表面感染症の特殊事情かもしれないが、高濃度の点眼が病巣に直接作用するので、起炎菌に対する感受性がそれほど高くなくても、結膜炎は一旦治癒することも多い。そうかと思えば、培養で起炎菌が培養できていないのかもしれないが、感受性検査で効くはずの点眼が奏効しないこともある。なんとも、得体の知れない相手と戦っている気がする。実は涙嚢炎だったとか、涙道に菌石ができる涙小管炎だったりするが、問題は、普通の眼瞼炎を伴う結膜炎。

常備している抗菌剤の点眼としては、

1,ニューキノロン点眼(モキシフロキサシン、レボフロキサシン)

2,ベストロン点眼(セフメノキシム)

3、トブラシン点眼(トブラマイシン) 出荷停止になったので、今後はパニマイシン点眼液(ジベカシン硫酸塩)?

4,オフサロン点眼(クロラムフェニコール, コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム)

※アジマイシン点眼

これらを駆使して、戦っています。涙嚢炎や涙小管炎をチェックして、そうでなければ、なるべくニューキノロンに頼りすぎる事なく、セフメノキシムを多用して治療する。最近は、そのほうが有効なことが多い印象。それでも、何度も何度も再発し、やがて全く治療に反応しないので、点眼を定期的にチェンジせざるをえない場合もある。一時期、イソジンを希釈して使ってみたのだが、指し心地が非常に悪くて、断念した。

 以前サルペリンというペニシリン系の点眼があって、重宝したのだが発売中止になり、セフメノキシム点眼だけは、無くならないで欲しいな。頑張れS寿製薬・・


by takeuchi-ganka | 2022-05-06 16:40 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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