第448回大阪眼科集談会 その1(1252)
2022年 06月 10日

第448回 大阪眼科集談会
※すっかりWEBに慣れてしまい、リアル会場に行く気力がなくなっているかも・・・^^;
1 診断に難渋した内因性眼内炎の一例
〇久富真穂1)、小川翔吾1)、安井絢子1)、井上浩二1)、本田 茂2)(永山病院眼科1)、大阪公大2))
※今年の4月から大阪市立大学は大阪公立大学に名称変更
67歳男性。高血圧の透析患者。化膿性脊椎炎、MRSA敗血症の既往があって、時間をかけて入院加療して、寛解した翌年、再び腰痛と視力低下。両眼硝子体混濁あって、MRSAを想定して治療を開始したが、眼底所見(円形の白色病変)から真菌性を疑ったが、最終的に腰椎の病巣からMRSAが検出され、細菌性の内因性眼内炎確定。
2 小児のマイボーム腺炎角結膜上皮症に対して抗菌薬内服が奏功した3例
〇近江正俊、佐々木香る、髙橋寛二(関西医大)
meibomitis-related keratoconjunctivitis(MRKC): https://takeganka.exblog.jp/32563102/
症例1:9歳7ヶ月女児、両眼フリクテン型MRKC(マイボーム腺炎、眼瞼結膜炎、角膜フリクテン) ステロイドとベストロン点眼に加えてセファクロル内服5日間。その後2回再燃したが、同様の治療で治癒。
症例2:3歳6ヶ月男児、1年前から麦粒腫・霰粒腫・結膜炎繰り返していた。マイボーム腺炎・マイボーム腺梗塞、角膜フリクテン⇒フリクテン型MRKC、ステロイドとガチフロ点眼に加えて、アジスロマイシン内服3日間。1回再燃したが、同様の治療で寛解。
症例3:6歳1ヶ月女児、非フリクテン型MRKC、アジスロマイシン内服3日間。寛解へ・・・
※以前どこかの講演で効いたのだが・・・『霰粒腫はマイボーム腺のmeibumがうっ滞して、異物反応が生じ、巨細胞を含む肉芽腫組織だが、Propionibacterium acnes抗体(PAB抗体)陽性のケースもある。霰粒腫には2種類ある?異物反応の場合と、Pアクネスが関与したTh1反応の場合がある。サルコイドーシスもMRKCもPアクネスが原因で、Pアクネスに対する直接のアプローチが有効なこともある?』
要するにマイボーム腺内のPアクネスには点眼は無効で内服が必要。アジスロマイシンがいいが、セファクロルでも有効?
※だとすると、繰り返す霰粒腫には、アジスロマイシン内服ありかも・・・。点眼は2週間というしばりがあるし、薬剤がマイボーム腺内に作用するのだろうか・・・