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第450回 大阪眼科集談会 その1(1214)

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そろそろシーズンかなあ・・・

450回 大阪眼科集談会 



 主催:一般社団法人大阪府眼科医会

令和4年10月01日(土)

1 光線力学的療法後、脈絡膜静脈うっ滞の軽減に伴い軽快した中心性漿液性網脈絡膜症の一例

〇田町知子1)、河野剛也2)、山本 学2)、居明香2)、平山公美子2)、三澤宣彦2)、平林倫子3)、本田 茂2)(泉大津市立病院1)、大阪公大2)、白庭病院3)

CSCにしては、高齢女性(72歳)。ブルフ膜のラインが、波うっていたが、何故だろう・・。CCTはやや厚め?PDT2回行って、2年ほどして視力改善。CCTも減少し、ブルフ膜の波打ちも軽減しているが、PDT2年以上経過しているが、PDTが有効だったのだろうか。もしCSCが渦静脈の循環障害由来の脈絡膜循環障害が原因なら、何故PDTが有効だったのだろう・・

2 超広角OCTが術前の評価に有用であった増殖硝子体網膜症の2

〇木下雅貴、﨑元晋、白木暢彦、西田幸二(大阪大)

https://www.nsl.nikon.com/jpn/products/ophthalmic/silverstone/

Optos silverstoneという『超広角走査型レーザー検眼鏡に、Swept Source光干渉断層計(OCT)を搭載。1回の撮影で眼底の約80%の領域をカバーする、画角200度の超広角(UWF)画像の取得に加え、取得したoptomap®上の後極部から周辺部までの OCTスキャンが可能』な器械を用いた発表。SO下でも簡単に撮れるようだが、Volume scanだと少し時間かかる。固視不良眼は無理かも。勿論、時間をかけて、周辺部までやりまくったら、あまり綺麗とは言えないけど、詳細な情報(網膜上の増殖組織・網膜下の増殖組織・網膜と一体となった感じ・・)が得られるが、時間がかかりすぎるし、最終的に行われる手術にどれほど貢献できるのだろうか・・・と思ったりする。多分熟練したサージャンは、OCT画像を参考にしながらも、実際の手応えを感じながら手術することになるのでは・・

3 経静脈骨粗鬆症治療薬によりぶどう膜炎をきたした一例

〇本田聡、石濱慈子、本田 茂(大阪公大)

ちょっと調べると、骨粗鬆症治療薬には、様々な種類があるようです。製薬会社にとってうまみのある分野ってことかな。

1:骨吸収抑制薬:

  • l ビスホスホネート(BP):エチドロン酸(ダイドロネル)、パミドロン酸、アレンドロン酸(ボナロン)、リセドロン酸(ベネット)、ミノドロン酸(ボノテオ)、イバンドロン酸(ボンビバ)ゾレドロン酸(ゾメタ)
  • l 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):ラロキシフェン(エビスタ)、バゼドキシフェン(ビビアント)
  • l エストロゲン製剤・エストロゲン・プロゲステロン配合薬
  • l カルシトニン製剤
  • l イプリフラボン製剤
  • l RANKL抗体

2:骨形成促進薬

  • l 副甲状腺ホルモン :テリパラチド(フォルテオ、テリボン)
  • l 蛋白同化ステロイド

3:骨代謝調整薬:

  • l ビタミンD製剤
  • l カルシウム製剤

https://kanri.nkdesk.com/drags/kotu.php

ちょっと検索して、

ゾレドロン酸投与後に両眼の急性前部ぶどう膜炎を発症した1例、蓮見由紀子(横浜市大) 日本眼科学会雑誌(0029-0203)1235
Page603-607(2019.05)

という報告を見つけたが、今回の症例も、同じゾレドロン酸によるもの。元々は悪性腫瘍による高カルシウム血症治療薬で、通常年に1回静注。所謂AAUで、軽度CME(+)。リンデロン点眼で軽快。

※どの世代のBPでも起こりうるが、ゾレドロン酸は、ビスホスホネート(BP)の第3世代で、破骨細胞の抑制機能が強い。今回はAAUだが、上強膜炎,眼窩の炎症,色覚異常,眼瞼炎,眼窩蜂窩織炎なども起こりうるらしい・・。


by takeuchi-ganka | 2022-10-04 17:03 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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