第450回 大阪眼科集談会 その3(1216)
2022年 10月 10日

8 弱視治療中に発見された視路視床下部毛様細胞性星細胞腫の1例
〇寺尾まどか、廣川貴久、柊山友里恵、戸成匡宏、松尾純子、奥英弘、喜田照代(大阪医薬大)
https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/glioma/pilo/
良性腫瘍で、摘出できれば問題ない腫瘍らしいのですが、問題は手術困難な部位でできた場合で、『脳幹部,大脳基底核、視神経,視交叉,視床下部,中脳視蓋,脊髄といったところ』にできた場合です。今回も・・。生後3ヶ月から眼振(+)。11ヶ月で紹介受診。遠視性乱視で左眼がつよくて、不同視弱視疑い。右眼遮蔽を嫌がる。視神経やや蒼白?弱視治療(アイパッチ?)が困難なので、アトロピン点眼遮蔽したが、4歳で視力右(0.2)左(0,02)。弱視治療に反応が悪く、左眼外斜視も恒常性に。MRIで診断確定。手術できない場所なので、経過観察のみ・・
9 COVID-19感染後に網膜症を生じた2例
〇植村太智、大庭慎平、山田晴彦、髙橋寛二(関西医大)
症例1:53歳女性。両眼視力低下。両眼視力(0.15)まで低下
症例2:44歳女性。両眼飛蚊症。視力低下(-)。
両眼とも後極部にCWS多発。症例1は、ステロイド内服と点眼で改善。症例2は自然寛解。
感染から発症までの期間は・・・わからない。隔離されているので、検査できないし・・。
※実に様々な疾患の報告あり。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33595463/
10アーメド緑内障バルブ挿入術後に遅発性脈絡膜出血を生じた1例
〇山田真弘1)、照林優也1)、吉田裕一1)、根元栄美佳1)、大須賀 翔1)、河本良輔1)、小嶌祥太2)、喜田照代1)(大阪医薬大1)、大阪医薬大三島南病院2))
81歳男性。POAG。右眼SLTした後紹介受診。ビマトプロスト、ブリモニジン、グラナテック入れて右眼圧22。視野も悪い。上方結膜瘢痕あって、濾過手術を回避して、アーメドを入れた。術後硝子体出血があって、手術11日目に、脈絡膜出血発症。20日目にはKissing状に。27日目に強膜開窓術して落ち着いた。
※術後眼圧20から8になったタイミングで、脈絡膜出血した様子。患者さんは睡眠時無呼吸症候群で、CPAPしていた。これが誘因?CPAPマスクが物理的(器械的)に眼球に与える影響あり?
※81歳男性で、両眼POAG。左眼は点眼で眼圧16だが、視野良好。もちろん教科書的には左眼手術適応なのだろうが、小さな眼科の院長としては、右の手術勧めにくい・・。ロトミー系の手術なら侵襲も少ないし、81歳高齢でもやってみたら・・と言うかしれないけど、よほど患者さんが手術に前向きでない限り、濾過手術しましょうと紹介しないなあ・・・。積極的やなあ・・