2023年 02月 20日
第452回 大阪眼科集談会 その1 (1229)

1 蝶形骨病変を合併したIgG4関連疾患の1例
〇林 有紀、北口善之、西田幸二(大阪大)
医者になってそろそろ40年。昔は、欠片も聞いたことのない疾患が多くなったが、この疾患もそのひとつ。
IgG4関連疾患: https://www.nanbyou.or.jp/entry/4505
『免疫異常や血中IgG4高値に加え、リンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化により、同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の疾患である。』
病変は多臓器に及び、障害された臓器によって様々な臨床症状を呈する。各科の医師は、常にこの疾患を念頭において、『各種自己抗体の存
眼科では・・涙腺・唾液腺腫大(痛みを伴わない)が有名で、かつてミクリッツ病と呼ばれていたものが、IgG4関連眼疾患。
症例は、52歳女性で、両眼涙腺部腫脹、涙液分泌も減少。血液検査で、IgG4高値、涙腺生検で、IgG4陽性で診断がついたが、問題は、蝶形骨病変。

ステロイド治療によって改善したが、骨病変も改善したので、骨病変もおそらくIgG4関連疾患病変。