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網膜疾患マネージメントー眼血流の役立て方 (1255)

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52回大阪眼科セミナー

特別講演

網膜疾患マネージメントー眼血流の役立て方

東邦大学医療センター 佐倉病院眼科 橋本りゅう也

糖尿病網膜症でビト後、なんだかよくわからないけど、暗い、視力が悪い時の原因は?網脈絡膜の循環障害が生じていないか?PDRのビト後、21%に網脈絡膜萎縮・視神経萎縮(+)(日眼2001)。これは術中の眼圧変動が原因ではないか?

 硝子体手術中、眼内圧はかなり大きく変動している。周辺部のShaving時に眼球を急激に圧迫したりすると、更に高度の眼圧上昇をきたす(Max100近いらしい・・)。ゆっくり圧迫しても40? 硝子体手術後のParacentral acute middle maculopathy(PAMM)の発生率は、術中の眼圧に依存している。

通常眼圧が上昇しても、視神経乳頭の血流は、Autoregulationが働いて、一定に保たれる。通常は、眼圧上昇により眼灌流圧が低下しても、眼血流量は下がらない。勿論、これには限界があって、緑内障発作のように眼圧が高度に上昇すれば、血流は止まり、虚血となるが・・。このAutoregulation機能が、糖尿病があると低下するらしい。

 眼圧変動に伴う視神経乳頭の血流量の変化を、LSFGでモニターしてみる。眼圧上昇後、しばらく血流低下していて、510分遅れて血流は戻ってくる(Autoregulation(+))。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27767373/ 

高血圧、高脂血症などあってもAutoregulationは障害されている。糖尿病においても・・。コントロール不良なら更に。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28940022/ 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28669777/ 

PDRの硝子体出血があり、ビトして、術中眼圧が上昇して、視神経乳頭血流(血管血流・組織血流)が低下すると回復しないこともある。やがて、視神経萎縮、網脈絡膜萎縮の原因に・・。術中の僅かな眼圧上昇(眼灌流圧低下)でも血流が低下してしまう。

 加齢黄斑変性患者に行われる抗VEGF注射も、脈絡膜血流量を下げることがある。滲出型加齢黄斑変性に、抗VEGF治療を行っていると、一定頻度で地図状萎縮に・・。抗VEGF治療は、新生血管からの漏出も止めるが、脈絡膜循環血流も低下させる。

内頚動脈閉塞で、虹彩ルベオーシス、血管新生緑内障があり、アフリベルセプト投与していた患者さんの注射後(強い疼痛あり)、眼圧が70以上に上昇していた症例の紹介あり。2時間もすれば眼圧正常化していたが、15分後は77mmHgだった。これは、想定外の出来事?眼内液のボリュームが増えたから?入れたのがアフリベルセプトだから?

※ラニビズマブBS:加齢黄斑変性でも、糖尿病網膜症(ME)でも眼血流を低下させる。

※ラニビズマブとアフリベルセプト。局所投与後の血液のVEGF濃度が異なる。ラニビズマブは変化ないが、アフリベルセプトは大きく低下する。この血液内VEGFが低下すると、関連した副作用のリスクが上昇。末梢動脈閉塞性疾患において、悪化要因になりうる?

LaserSpecle Flowgraphy (LSFG)

https://www.softcare-ltd.co.jp/index.php/products/10-medical-appliances/14-prod-lsfg-navi.html 

徐々に進化して、より広い範囲において、簡単に眼血流の状況が把握できる。非常に興味深い器械だが、私には高嶺の花やなあ・・。様々な疾患において、有用らしい:眼虚血、硬膜動静脈瘻、遠視性不同視弱視、網膜振盪、妊娠高血圧症候群・・・など。急激な眼圧上昇・下降後の変化。内頚動脈狭窄による一過性黒内障にステント留置前後の変化。BRVOIVR(その前後)。動静脈交叉部位の血流の変化。Sheathotomy前後の変化。VKHのステロイドパルス前後の変化。楽しそうな器械だけど・・

眼虚血症候群の血流動態 あたらしい眼科39(1):9-15,2022

https://www.spiedigitallibrary.org/conference-proceedings-of-spie/12036/2611850/A-superpixel-histogram-method-to-analyze-retinal-optic-nerve-and/10.1117/12.2611850.short?SSO=1&tab=ArticleLink

※眼圧の僅かな上昇、あるいは知らない間に高度の一過性の眼圧上昇があり、それが網脈絡膜循環に深刻なダメージを与えていることがある。LSFGはそれを検知する優秀な器械らしいが・・


by takeuchi-ganka | 2023-07-21 19:32 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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