NEW POST

聴講:神経眼科入門のために (1256)

聴講:神経眼科入門のために (1256)_f0088231_08100931.jpg
天神祭の花火が遠くに見えるが、近づく元気はない・・

52回大阪眼科セミナー 特別講演

神経眼科入門のために 慈恵医大 准教授 増田洋一郎 

元々症候学から発展した神経眼科なので、なかなか理解しにくいのだと。まず機能・構造を把握した上で、疾患特性を勉強する。所謂視神経というのは、網膜神経節細胞(RGC)の軸索。視覚ニューロンというのは、網膜内の表層にある神経節細胞(RGC)、その軸索(RNFL神経線維)が眼球外に出た後、視神経と呼ばれ、視交差より後方では視索と呼ばれ、外側膝状態(LGN)でシナプスを作っている。その後視覚情報はV1領域に・・。つまり、視神経・視索というのは、RGCの一部で、長く伸びたRGCの軸索で外側膝状体までの部分。そこでは、オリゴデンドロサイトが付随している。

聴講:神経眼科入門のために (1256)_f0088231_07575255.png

昔、脳の機能なんて、未知のブラックボックスだったのだが、今では、fMRIによって、網膜への視覚刺激と脳の視覚野の反応の関係が把握されてきている。どんなパターンの刺激が視覚野のどの部分でどのように反応するのか。更に、網膜のどの部位を刺激したら、視覚野のどの部位が反応するのか(視覚中枢 網膜局在地図)が明らかになってきた。どの部位を障害されたら、どのような症状が出るのかも明らかに・・・視野障害、失認、地誌的障害・・・

https://optronics-media.com/news/20131030/14519/ 

この長い視神経のどの部分が障害されたらどのような症状が出るのか・・・。①眼圧に関連して乳頭のLCで障害されたら、緑内障(GON)だし、②眼軸延長に関連して障害されたら近視性だし(MON)、③それ以外の原因で、どこが障害されても神経眼科領域疾患。

 この③の中で、様々な原因で生じる視神経の炎症が、視神経炎。その原因だが、感染・中毒・圧迫・遺伝・虚血なので生じるもの。自己抗体(抗AQP4・抗MOG)で生じるもの。昔から有名な典型的視神経炎(MSを含む)の3パターンがある。

1)典型的視神経炎(特発性・MS):Myelinの炎症による中枢神経の脱髄(髄鞘が障害されて軸索が露出される)。空間的多発性(複数箇所)・時間的多発性(再発性)がある。若い女性多い・・

2)視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)(抗体陽性)

l AQP4抗体陽性:アクアポリンは、細胞膜に存在する水チャンネル。0から12まであり、アストロサイトには、4から9まで存在する。アストロサイトの足突起に豊富に存在するAQP4に対する自己抗体によって、アストロサイトが障害される。重症度が高い。

l MOG抗体陽性:ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白質(MOGmyelin-oligodendrocyte glycoprotein)は、視神経内に存在するグリア細胞の1つであるオリゴデンドロサイトの表面に発現する蛋白質。再発しやすいのが特徴。

3)非典型的視神経炎:炎症・虚血・圧迫・外傷・中毒・ジストロフィー・・・

l 虚血性視神経症(動脈炎性・非動脈炎性)

前部(70-80%、短後毛様動脈閉塞、蒼白浮腫)

後部(20-30%、軟膜動脈閉塞?、異常所見(-)

聴講:神経眼科入門のために (1256)_f0088231_08043596.png

l レーベル遺伝性視神経症(LHON

RGCの中で、メラノプシンを産生するRGCipRGC

https://chronobiology.jp/journal/JSC2014-2-011.pdf 

※光を感じるのは視細胞だが、RGCの一部に自ら光を感じて直接脳内へ情報伝達する細胞が明らかになっていて、それがメラノプシン産生光感受性網膜神経節細胞。LHONは、このipRGCが障害されて、時間差で、その後黄斑部の神経線維層・乳頭周囲の神経線維層が障害されるので、OCTで計測(捕捉)できるかも・・

LHONにイデベノン大量投与:自覚的改善はあるが、視力・視野の客観的指標の改善は不明。(多分少し改善している?)

聴講:神経眼科入門のために (1256)_f0088231_08055096.png

このあたりで、ダウン・・


by takeuchi-ganka | 2023-08-01 08:11 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30