2023年 08月 20日
白内障手術終了 その1(1257)
開業して25年、細々と行ってきた白内障手術を終了することにした。
術者は皆知っているが、白内障手術と一口に言っても、実に様々なんです。患者さんにはわからないことが殆どですが(ここが問題なのだが・・)、非常に難しくて、超一流の術者をもってしても、なかなか洗練された手術が行えない場合もあれば、私のようなごく普通の術者がやっても、きれいな手術が行える場合もあるのです。
25年前、ごく普通の術者として、日帰り白内障手術をはじめた時、安全に行うことができないと判断した症例は、設備も整っていて、優秀な術者がいる病院・医院に紹介していたのだが、その判断基準こそが、小さなクリニックを安全に運営するためのポイントでした。ただ、その基準は時の流れとともに、変化してきたが・・。
手術の難易度に関連する要因は、眼球そのものに関する要因とそれ以外の要因がある。
まず、それ以外の要因としては、
1,年齢:これは人によって異なるが、開業当初(25年前)は80歳ぐらいを年齢上限にしていたのだが、元気な高齢者と接する事が多くなるにつれ、徐々にハードルを上げて、最終的な上限は、85歳+αで、90歳を超えないようにしていた。それでも、90歳とは思えない元気な老人に頼まれると、眼球そのものも普通だったら、恐る恐る手を出したこともある・・
2,認知度・性格:眼科診療は、短時間で終わることが多いので、長期にわたって診てきた患者さんであれば、おおよそ理解できているが(裏切られることもあり)、初診から手術まで短期間の場合、その人となりを理解できないまま手術にいたることも多く、術後困るがある。手術してから、こんなに物事の理解度が悪い人だったのかとか、術後ちょっと気にかかる症状に長期に渡って拘泥する人とか・・手術後に、術前理解できない人となりを発見することは多い。
3,その他:
l 手術した翌日脳梗塞で、救急搬送されたケースは、血圧のコントロールに問題があったのかもしれない。
l 術中、頻脈で警告音なりっぱなしで、自分が頻脈になったこと。不整脈にドキドキしたこと・・
l 術中、なかなか静止してくれなくて、船に乗りながら手術しているような気分だったこと。
本当に色々な事があったのだが、25年乗り切ることが出来てなにより・・
眼球そのものの要因については、次回