分子生物学からみた大阪公立大のぶどう膜炎 (第6回ABS) (1269)
2023年 11月 01日

勝尾寺(そろそろ紅葉の季節・・)
分子生物学からみた大阪公立大のぶどう膜炎 冨田真未 大阪公立大
ぶどう膜炎の疫学調査では、
- ① サルコイドーシス
- ② 原田
- ③ ヘルペス
- ④ 急性前部ぶどう膜炎
※ベーチェットが減少中、ヘルペス増加
などが有名だが、分類不能が37%、その他が20%も。診断のつかないぶどう膜炎が多い筈^^;
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33694024/
ぶどう膜炎の診断・治療は、日々進歩していて、ちょっと勉強しないと、予想外の状況になってりするので、毎回興味深い話が聞けます。通常の古典的診療手段では、なかなか感染性・非感染性も含め、確定診断が難しいことが多い。現在では、硝子体生検を行って網羅的PCRを行う施設が多くなっているようです。安全かつ診断に有用。
- https://kobe.eye.center.kcho.jp/pcr/
http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/strippcr.html - http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/strippcr.html
IL-6についての話。
https://chugai-ra.jp/movie/il-6.html
感染・外傷・自己免疫疾患・・・様々な疾患で高値となり、IL-6阻害薬(トリシズマブ(アクテムラ)が有効。
キャノンのOCT Xephilio OCT-S1
https://mts.medical.canon/ophthalmic/lineup/oct-s1.html
スキャン幅 23mm・深さ5.3mmの広角SS-OCT(高いんやろうなあ・・・・欲しいなあ・・・)
このOCTで硝子体腔にツブツブ(硝子体細胞?)が写る。これをカウントして、ぶどう膜炎の活動性の指標にならないか・・。このツブツブの数とIL-6と相関有りそうなので、ImageJで画像解析して、カウントすると、手作業より遥かに高速かつ正確に行えて、特に黄斑部前の硝子体の細胞は、IL-6と強い相関があった。
※硝子体細胞数:感染性>非感染性
悪性リンパ腫の診断
通常硝子体生検(硝子体液採取)して、細胞の同定やサイトカイン種類の検討などを行うのだが、検体の細胞数が少なかったり、細胞がすぐ死んだりして、診断は難しい。
※IgH遺伝子再構成とは:http://www.retinastem.jp/kansensyou/src/igh.html
基礎知識:https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-role.html
補助診断のひとつフローサイトメトリーについて
- https://iol.link/about-1-5/
https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-role.html - https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-role.html
リンパ球の種類の同定、大きさ・内部構造の判定・単クローン性の判定などが行える。フローサイトメトリーと前述のOCTでみた硝子体細胞数の検討。CD56の値が高いと硝子体細胞数多い。
症例提示:57歳男性
ARN疑い。豚脂様KP(+)、乳頭浮腫、滲出斑 ⇒ VZV陽性のARN
※IL-6高値で硝子体細胞多い(⇒感染を示唆)

