人気ブログランキング | 話題のタグを見る

分子生物学からみた大阪公立大のぶどう膜炎 (第6回ABS) (1269)

分子生物学からみた大阪公立大のぶどう膜炎 (第6回ABS) (1269)_f0088231_18500317.jpg

勝尾寺(そろそろ紅葉の季節・・)


分子生物学からみた大阪公立大のぶどう膜炎  冨田真未 大阪公立大

ぶどう膜炎の疫学調査では、

  • サルコイドーシス
  • 原田
  • ヘルペス
  • 急性前部ぶどう膜炎

※ベーチェットが減少中、ヘルペス増加

などが有名だが、分類不能が37%、その他が20%も。診断のつかないぶどう膜炎が多い筈^^;

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33694024/

ぶどう膜炎の診断・治療は、日々進歩していて、ちょっと勉強しないと、予想外の状況になってりするので、毎回興味深い話が聞けます。通常の古典的診療手段では、なかなか感染性・非感染性も含め、確定診断が難しいことが多い。現在では、硝子体生検を行って網羅的PCRを行う施設が多くなっているようです。安全かつ診断に有用。

IL-6についての話。

https://chugai-ra.jp/movie/il-6.html 

感染・外傷・自己免疫疾患・・・様々な疾患で高値となり、IL-6阻害薬(トリシズマブ(アクテムラ)が有効。

キャノンのOCT Xephilio OCT-S1

https://mts.medical.canon/ophthalmic/lineup/oct-s1.html 

スキャン幅 23mm・深さ5.3mmの広角SS-OCT(高いんやろうなあ・・・・欲しいなあ・・・)

このOCTで硝子体腔にツブツブ(硝子体細胞?)が写る。これをカウントして、ぶどう膜炎の活動性の指標にならないか・・。このツブツブの数とIL-6と相関有りそうなので、ImageJで画像解析して、カウントすると、手作業より遥かに高速かつ正確に行えて、特に黄斑部前の硝子体の細胞は、IL-6と強い相関があった。

※硝子体細胞数:感染性>非感染性

悪性リンパ腫の診断

通常硝子体生検(硝子体液採取)して、細胞の同定やサイトカイン種類の検討などを行うのだが、検体の細胞数が少なかったり、細胞がすぐ死んだりして、診断は難しい。

IgH遺伝子再構成とはhttp://www.retinastem.jp/kansensyou/src/igh.html 

基礎知識:https://ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-role.html 

補助診断のひとつフローサイトメトリーについて

リンパ球の種類の同定、大きさ・内部構造の判定・単クローン性の判定などが行える。フローサイトメトリーと前述のOCTでみた硝子体細胞数の検討。CD56の値が高いと硝子体細胞数多い。

症例提示:57歳男性

ARN疑い。豚脂様KP(+)、乳頭浮腫、滲出斑 ⇒ VZV陽性のARN

IL-6高値で硝子体細胞多い(⇒感染を示唆)


by takeuchi-ganka | 2023-11-01 18:51 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka