2024年 01月 15日
ダイコプティックトレーニング(第457回大阪眼科集談会から)(1282)

○森本 壮、藤野貴啓、河本晋平、北口善之、下條裕史、西田幸二(大阪大)
これは興味深い発表だった。優秀なORTのお陰で、当院でも一応弱視治療をしている。例えば不同視弱視があって、眼鏡装用だけでは視力がでなければ、アイパッチを行うこともあるが、3歳4歳ならアイパッチできても、7歳8歳なら難しいことも多いし、実際何時間アイパッチしているのかは患者・保護者の申告だのみになる。このダイコプティックトレーニングはそんな問題を解決してくれるかもしれない?
https://www.seevividly.com/info/Lazy_Eye_Treatments/Dichoptic_Training
https://www.eyephy.com/luminopia-study-for-amblyopia-lazy-eye/
https://nova-sight.com/curesight-amblyopia-treatment/
紹介されていたのは、VRで左右眼に別々の画像を見せて、両眼とも見えていて初めて行えるゲームなどをさせる。集中してゲームを行うことが弱視治療となる。ゲームの点数が上がれば、弱視眼の視力が改善している可能性があるし、改善の程度は定量的。治療時間(ゲーム時間)は記録されているので、『頑張って1時間アイパッチしました』という申告よりは客観的。ただ、VRのゴーグルサイズの問題もあり、3歳で始められるかどうかは微妙だが、5歳以上なら問題ないらしい。ちょっと治療開始が遅くなり7-8歳になってしまったケースは、良い適応らしい。
どれだけ商業ベースになるのかが問題だが、将来ゴーグルはもっと子供用のものもできてくるだろうし、ゲームソフトも洗練されてくるだろう。今後要注目分野です。