OCT画像を用いた網膜疾患の鑑別と治療(第457回大阪眼科集談会から)(1283)

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10年前はこんなに元気やったのになあ・・・飼い主も^^;


「OCT画像を用いた網膜疾患の鑑別と治療」寺﨑寛人 先生(鹿児島大学)

タイトルを見た時あまり期待してなかったのだが、私には興味深く、理解しやすい内容の講演でした。

正常網膜のOCT

内側から

  • 1,硝子体ライン
  • 2,外境界膜(ELM):水のバリア
  • 3,Elipsoid zone (IS/OS line):最も視機能に関連 
  •  ※ interdigitationzone coneの外節、中心窩下で不鮮明に・・)
  • 4,網膜色素上皮・ブルフ膜:水のバリア
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  • 5,脈絡膜
  •   1,脈絡膜毛細血管板
  •   2,Sattler’slayer
  •   3,Haller’slayer

疾患によって注目する部位は異なる。

1,硝子体ライン

ERMVMTSMH・・・

PVDの有無は視神経の部位をスキャンすればわかる。

2,Elipsoidzone (IS/OS line)

もっとも視力に関連するライン。DMEがあって、黄斑部に高度の浮腫があっても、このラインがきれいなら、良好な視力の回復が期待できる。逆に一見きれいな網膜断層像であっても、このラインが不鮮明なら、視細胞にダメージ(+)

3,外境界膜(ELM)、網膜色素上皮・ブルフ膜

ここが水のバリアになっていて、破綻すると水の移動を誘発する。

①糖尿病網膜症やBRVOではまず網膜血管から水の漏出が生じる。

⇒ 網膜内に浮腫が発生(CMEなど)。このOCTはちょっと古めのBRVO。網膜内浮腫のみで、SRD(-)

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漏出が高度になりELMが破綻すると網膜下に水が貯留

⇒ SRDOCTがなかった時代は想定してなかったけど・・・)

※つまり網膜疾患でSRD(+)ということは、活動性が高い。このOCTは、hemi-CRVOBRVOで高度の黄斑浮腫をきたし、OCTではSRD(+)

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②脈絡膜疾患においても、網膜色素上皮が破綻しなければ、脈絡膜肥厚、PEDでとどまるが、網膜色素上皮が破綻すれば、SRD(+)となる。

加齢黄斑変性の診断

※比較的PDTを積極的に使っておられる施設のようで・・・

Type1 CNVPDT積極的に・・

Type2CNV:抗VEGF著効

PCV:抗VEGF/PDT

RAP:抗VEGF

③ PCV

日本の加齢黄斑変性の半分近くがこれ。

OCT:急峻な網膜色素上皮の隆起(PED)とネットワーク血管(double layer sign

PED内の輝度に注意:

1)黒く抜けていれば、漿液性PED(中身は水)

2)内部が白くなっているとCNVからの出血性PEDの可能性高く、ハイリスク。

3)内部が層状⇒ fibrovascular PED、時間が経過している。視力回復望めない・・・

治療:基本は、抗VEGFTAE/固定投与)で、反応悪ければPDT考慮

※急激に大きくなってきたPCV。既にPED内には出血が。このあと、網膜下に大量の出血が発生・・

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RAP

※女性、高齢、両眼性、薄い脈絡膜、reticular pseudodrusen

網膜内に新生血管ができるので、初期にCMEで、その後PEDSRD・・・

典型AMD

Type1:丈の低いPEDdouble layer sign)とSRD

※脈絡膜が厚い、異常拡張血管を伴う場合:pachychoroid neovasculopathy(PNV)(下図)

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厚いと脈絡膜紋理が不明瞭に・・

PNVではPDT積極的に使っていると・・。多くの場合、1回PDTするだけで良好な成績。

CSCにもPDT使用しているが、元々感覚網膜が薄い症例は、視力低下する可能性があるので、要注意。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37331678/ 

pachychoroid(-)Type1CNVは、PDT<VEGF

Type2:基本抗VEGFしっかり(TAE

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黄斑浮腫のパターン

①網膜血管からの漏出なら網膜内浮腫:糖尿病網膜症、BRVO, CRVO, aneurysma・・

②脈絡膜血管からの漏出なら網膜下浮腫:CSC, Type1CNV, PCV・・

③ ①+②:①の活動性の高い場合、Type2CNV, RAP

コメント

l PDTを積極的に使っている印象。最近はreduced PDTが多い(half dose2/3dose・・)

l Type2RAPOCT似ている。網膜下・網膜両方に浮腫あり、SRDあり。RAPは、ちょっと異質な疾患。女性・高齢・網膜色素上皮ラインを突き破って網膜に入るNVの存在。

Pseudodrusen(+)など・・・総合的に判断するしかない。頑張っても予後不良多い。

l PNVCSCの鑑別:double layer signの有無で分けるけど、分類不可能な部分もある。PNVPDTが良く効く。CSCも・・・ 

l PDTが効く症例とそうでない症例は?

Ø 網膜色素上皮異常部位の脈絡膜が厚くなって拡張しているようなケースはPDT良く効く。

Ø 脈絡膜は厚くなっているけど、異常に拡張しているような所見がなければ効きにくい。

Ø IAの血管透過性亢進(+)も効きやすい。


by takeuchi-ganka | 2024-01-17 09:02 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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