2024年 02月 17日
第458回大阪眼科集談会 (その1)(1288)

1, 輪部デルモイド眼における重症度と角膜形状の関係についての検討 大阪大

重症度分類:Ⅰ・Ⅱが軽症(9例)、Ⅲが重症(5例)
重症は早めに手術になるし、軽症は手術タイミングは遅くなる。術式は単純切除か表層角膜移植。角膜中央3mm領域の角膜屈折データをフーリエ解析:球面・正乱視・非対称・高次不整成分の検討。勿論重症の方が、球面成分以外のデータは悪いが、軽症でも重症でも、術前術後に角膜形状悪化ない。つまり早期であっても、求めがあれば早期に手術しても問題なさそう・・・
2, Staphylococcus lugdunensisによる眼内炎に進行した角膜切創の1例 大阪医歯大
カッターで何かを切っていて、その刃が飛んできて角膜3mm幅の切創。全層切開したが、水晶体や虹彩は無事。ザイデル(-)。抗菌剤で軽快すると思ったら、9日目、ちょっと前房に炎症。16日目には、前房にフィブリン、硝子体混濁の眼内炎で視力も手動弁まで低下(自覚(-)?)。
※この手の話を聞く時、いつも開業医として自分だったらどうするだろう・・・と思いながら聞いているのだが、9日目の対応に問題ありなのかなあ・・・。カッターの刃で3mmも角膜全層の切創があって、この時点で、前房細胞増えて、無菌性を想定するかなあ。結局リンデロン点眼開始されたが、逆に感染を強く疑い抗菌剤全身投与か硝子体投与されていたら・・・。それに次の診察が1週間後というのも怖すぎるなあ・・
※Staphylococcuslugdunensis:CNS陰性グラム陽性球菌
S.aureusやS.epidermidisの感染症は有名だが、S.lugdunensisはあまり問題にされなかったが、意外に病原性が高いことが理解されつつある(らしい)。他のCNSとは異なる構成成分のバイオフィルムを産生するのが問題(らしい)。