第60回日本臨床眼科学会1

10月5日
第60回、還暦を迎えた日本臨床眼科学会が始まりました。久しぶりに、この大きな学会に出席してきました。バス・JR・地下鉄と乗り継いで、宝ヶ池まで1時間半以上。京都といっても、遠いです。
(京都の地下鉄は、ピタパが使えないのです。どうしてでしょう?)

専門別研究会1  レーザー眼科学
Ⅰ  一般口演

高橋先生、朝一の座長お疲れ様でした。座長の言うことを聞かない、常識のない奴は誰?

演題が5つでしたが、山名眼科の発表を除く4題は、(よくは知りませんが) Computational Optics Group(COG)という妙な名前のグループの発表でした。このセッションは、完全に彼らにジャックされた感じです。眼底検査用フリードメインOCT関連の発表。凄く革新的な次世代の検査機器なのでしょうが。機械音痴の私には、よくわかりません。ただ、この首謀者:A君の性格には、少し問題がありそう・・・。勉強する前に、常識を身につけないと。こんな人多くなった印象があります。
 ただ、この発表が確かなものなら、最近頭を悩ませているリスクの高い血管造影(FAGやICG)を、例えば、MR-angio のように非侵襲で撮れるみたいなので、素晴らしいと思ったのですが、旭川の吉田先生は、非常に辛らつな批判を述べておられました。彼の発表の価値は、どれほどのものなのか私には理解できません。

残りの1題の山名眼科の演題は、
OCTとHRTとハンフリーの結果を見て、一致するとかしないとか。当然、大枠で一致するに決まっているし、もし、本当に緑内障なら、だんだん悪くなるだろうし・・・本当に緑内障かどうかは、どうやって決めるのでしょうか・・。断じて、機械が決めるのではないと思います。

Ⅱ  レーザーカンファランス『BRVOの治療方針』

このBRVOは、非常にありふれた疾患で、かつ、最近、治療方針が大きく転回した疾患で、要注目のセッションでした。ただ、大前提として、RCT(無作為臨床試験)が行われていないので、誰も、EBM(証拠に基づく医療)がない。(鹿児島大の若い先生から、何度も、今すぐRCTすべきだと意見が出ていた。皆やる気がないだけだと・・・。やろうと思えば出来るのだと・・・) 従って、皆、経験だけで言っている・・ところに問題点があるのですが。そんなこと言ってたらこのセッションの意味がなくなるので。
 
古くは、アメリカのBRVO study があり、網膜レーザー光凝固術は、新生血管の発生を予防し、硝子体出血を予防し、黄斑浮腫に対しても、網膜レーザー光凝固術は、有効であると・・・・・

6、市立札幌病院の竹田先生
 この疾患は発症後数ヶ月は、変動が激しいので、急性期は治療しない。3ヶ月して、視力が0.5以上あれば、治療しない。0.5以下なら、先ず、網膜レーザー光凝固術。それでも改善しないか悪化するようなら、硝子体手術だと・・・
※このとりあえず、待つということと、視力が0.5前後で治療するかどうかを決めているところがポイントです。
7、群馬大の高橋先生
  ここは、視力0.7以上なら何もしない。0.1以下なら、積極介入?
  中心窩周囲毛細血管の状態に注目して、
   ここのダメージが強いなら、CME(類嚢胞黄斑浮腫)へ
   ここのダメージが軽いなら、SRD(奨液性網膜剥離)へ
     1)SRDは、漏出が原因。l
        ・TA(トリアムシノロン)投与して、
        ・網膜レーザー光凝固術へ
     2)CME
        ・TA(トリアムシノロン)投与して、
        ・無効なら再度TAか、硝子体手術+TA

8、山梨大の飯島先生
  ここの特徴は、先ず視野測定を行って、BRVO領域の視野の状態を把握する。明瞭な視野欠損があるなら、同部位は、遠慮なく網膜レーザー光凝固術していいl。また、下方のBRVOは、上方の視野欠損なので、遠慮なく網膜レーザー光凝固術可能。
高度黄斑浮腫部位の網膜レーザー光凝固術は難しい。ハイパワー長時間凝固が必要で、0.5~1.0秒の長時間、400μmの大きさで、最大400mWのパワーで、しっかりと凝固斑を出す。これだけやっても、後に瘢痕が残らないことも・・・提示された写真は、びっくりするほど、強い大型の凝固斑。少し心配・・
(女子医の堀先生が、それは、表層の神経線維を焼いているだけとクレームが入ったが、そうではないと・・・。網膜深層に凝固斑が出ていても消えるのだと反論。)

9、淀川キリスト教病院の張野先生
 一般的な話と、現在多施設で行われているスタデイの紹介(RCTでない)

10、関西医大の木本先生
 先ず、3ヶ月待つ。
   視力0.6以下で、黄斑浮腫あれば硝子体手術
   視力0.7以上なら、経過観察。無血管野広ければ、LK。変視症強ければ、tPA硝子体投与。
tPAの積極利用が、他の施設と異なる・・。
※少々、手術の適応が広くなりすぎないかと・・・
11、真打登場:香川大の白神先生
 さんざん新しい術式を試みて(AV鞘切開、静脈切断・・)、結果、単純硝子体切除とあまり変わらないと・・・また、自然経過と比べても大きな差がないと・・
 結論としては、3ヶ月じゃなくて、6ヵ月も待つ。当然その間、TA投与したり、Avastinを投与したりしながら、それでも、改善が得られない場合だけ、積極介入。あくまで、最終手段。薬物治療が本筋。硝子体手術を最も積極的にされている筈の先生から、薬物で行くべきだという意見が出ていました。薬物といっても、Avastin は、日本ではまだ使えませんが・・・。
by takeuchi-ganka | 2006-10-06 16:44 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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