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眼内レンズの選択について その2 (1307) 低加入度プレミアム単焦点

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ちょっと無防備に散歩させすぎたかなあ・・・(12年前)


多焦点眼内レンズは、当初、遠くと近くの2つの焦点をもつ眼内レンズとして登場した。屈折型は、近方と遠方の領域に分かれていて、同心円状に遠方と近方屈折力の異なった領域が交互に繰り返されているタイプ。回析型は、レンズ表面に微細な溝や段差を規則的に刻んだ回析格子があり、それがプリズムのように光を複数の焦点に分配する。当初この2つのタイプから出発した多焦点IOLだが、多焦点というメリットを得るかわりに、コントラスト感度が落ちる、ハロ・グレアがある・・などのデメリットを受け入れざるを得なかったが、ちょっと簡単には説明できないような新しいコンセプトの新しい多焦点IOLが登場し続けている。その謳い文句を見ていると・・・

  • 瞳孔径に左右されず、遠中近と全ての距離に連続的に焦点があう
  • ハロ・グレア、異常光視症などがない
  • コントラスト感度が低くならない
  • 眼鏡の必要性を感じない

など、若い頃の水晶体に近い状況へ向けて進化し続けているようです。

※ということは、多焦点が世の中に出始めた頃って、今から思えば・・・・

まず最初に紹介するのは、最近登場した、保険の範囲内で使える低加入度の(多焦点)眼内レンズ。これは実は画期的(特に経済的に)で、本格的な多焦点に比べると、様々な点で差があるものの、通常の単焦点眼内レンズと同じ価額で、遠くから中間距離まで、特に問題なく良好な視力が得られるスグレモノの眼内レンズです。ほぼ多焦点の眼内レンズが、問題点を解決しつつある段階で登場した低加入度プレミアム単焦点なので、30-50cmが見にくい・・以外はほぼ問題点がない?

保険診療で扱える眼内レンズ眼内レンズの選択について その2 (1307) 低加入度プレミアム単焦点_f0088231_18581302.jpg

1,レンティス・コンフォート(ドイツ Oculentis社):分節屈折型、独自の+1.5D加入のDual Monofocal Design(異なるふたつの単焦点機構がある)。ハロ・グレア少なく、遠方・中間距離で良好な視力が得られる。単焦点IOLに比べて、眼鏡装用頻度が確実に下げられる。眼鏡不要にはならないが・・
https://www.teleon-surgical.com/de/international/produkte/lentis-iol/lentis-comfort/

https://asuca-eye.com/treat/lens.html#lentiscomfort-cont 

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2,テクニス・アイハンス(ジョンソン&ジョンソン):焦点深度拡張(EDOF)型。通常の単焦点IOLと全く同じように入れて、遠方から70cmぐらいまで問題なく見える。コントラスト感度良好で、ハロ・グレアない。

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3,ビビネックス・インプレス(HOYA):多分これもEDOF型。遠方から中間距離まで見える国産の新しいIOL

⇒この3つの所謂プレミアム単焦点IOLはほぼ同様の明視域を有する。

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  • Tecnis Eyhance ICB00 (Johnson& Johnson Vision Care, Inc., Jacksonville, FL, USA)
  • Vivinex Impress XY1-EM (HoyaSurgical Optics, Singapore)
  • IsoPure 123 (PhysIOL, Liege,Belgium)


by takeuchi-ganka | 2024-07-08 19:07 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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