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累進屈折眼鏡を快適に装用する為に(その1)

 40歳過ぎて、もう9年にもなり、そろそろ50歳に届きそうです(恐ろしいことです・・・)。この40から50までの10年というのは、調節力が4Dから2Dへと減少する10年です。10年で2D。5年で1D減少します。私の遠近両用(累進屈折)眼鏡の加入度数も1.0、1.5、2.0Dと変化しました。我々眼科医が最も頻回に行う眼底検査は、近見作業なので、眼底所見の詳細をシャープな画質で捕らえようとすれば、近用眼鏡が必要になるのです。私は、懇意にしている眼鏡店(Genesis/Glasses )があり、彼に作ってもらった累進屈折眼鏡の種類も

①一般的な遠近両用レンズのHOYALUX ID
②室内専用レンズのTACT
③デスクワーク用のLectureB
つい先日は、室内専用の眼鏡を加入2.0に増やして、
④室内専用レンズのHOYALUX ID Cliarc 

と4種類になりました。全てHOYAのレンズです。これで、HOYAの累進屈折レンズは大体試したことになりますが、どれも、非常に快適です。眼鏡屋の腕がいいから・・・? 特に、私の場合、室内専用眼鏡は、すこぶる快適で、これで運転・ゴルフ・買い物・読書・テレビ・パソコン作業・・・なんでもOKです。但し、眼鏡店は絶対に選ばないといけません。どんな店でもいい訳じゃない。安物買いの銭失いにならないように注意してください。

大体、眼科医は、眼鏡の知識に乏しく、遠近両用眼鏡に対する知識が非常に貧困です。友人の眼科医にも、いろいろ聞いてみましたが、かなり優秀な眼科医でさえ、この眼鏡に関する知識は少なすぎるのです。私も、聞きかじりの僅かな知識しかありませんが、先ずは、自分で、体験し(若い時には不可能・・)、その良さを実感していますので、何回かに分けて、累進屈折眼鏡のついての記事を書いてゆこうと思います。

累進屈折眼鏡を快適に装用する為に(その1)_f0088231_15121091.jpg

近用・遠近両用眼鏡の処方法から引用、あたらしい眼科18(10):1245~1250,2001

若い時は、遠くも近くも見えることが当たり前なので、40歳以下の人には通常理解できないことですが、屈折異常がない場合(ある人は遠用眼鏡をかけた状態で)、この図のように、ピントのあう距離(調節域)というのは、徐々に狭くなります。20歳、30歳では、全く不自由がないのがわかると思います。40歳でも大丈夫ですが、45歳ぐらいになると、近点が25cm近くまで離れます。これより近点が遠くへ行くと不自由を感じますし、疲れたり、眼鏡が不適正だと、近点が離れたり、不安定だったりするのです。つまり、45歳前後から、近用眼鏡/累進屈折眼鏡が必要になってくるのです。
累進屈折眼鏡、つまり、遠近両用眼鏡というと、レンズの上方に遠用度数が入っていて、下方に近用度数が入っていて、その間に累進帯がある。
上方の遠用度数と下方の近用度数の差が、

40~45歳⇒+1.00
45~50歳⇒+1.50
50~55歳⇒+2.00
55~60歳⇒+2.50
60~65歳⇒+3.00


と、年齢がいくほど、大きくなります。累進屈折レンズを始める場合、この度数差が、2.0Dになる前に始めてほしいのです。そうでないと、折角高いお金を払って作ったメガネも、無駄になってしまいかねません。
実は、そんな人が非常に多いのです。まあ、大目に見ても、55歳ぐらいまで一度も累進屈折眼鏡(遠近両用)を作ったことのない人は、もう、諦めた方がいいかもしれません。方法がないわけじゃありませんが、妙な眼鏡店で勧められても断った方が無難です。
今日はここまでにします。
by takeuchi-ganka | 2006-10-30 15:19 | 眼鏡 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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