人気ブログランキング | 話題のタグを見る
NEW POST

第35回日本緑内障学会 一般口演から ストリームラインを用いたVisco-Canalostomy ab Interno (1327)

第35回日本緑内障学会 一般口演から ストリームラインを用いたVisco-Canalostomy ab Interno (1327)_f0088231_10225233.jpg
14年前(4歳)のタイム

一般口演から『ストリームラインを用いたVisco-Canalostomy ab Interno ひらかた山岸眼科 山岸和矢』

時々このブログにも登場する枚方のカリスマ眼科医が何と第35回日本緑内障学会の一般口演に登場しました。うん十年ぶりの一般口演で、招待される講演やセミナーでの講演よりも、少し緊張されていたような・・・(^^

以前行われていたviscocanalostomyに関しては・・・↓

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1771626/#:~:text=Viscocanalostomy%20is%20a%20non-penetrating,a%20well%20documented%20complication%20rate.  

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10079435/ 

⇒『In this prospective study viscocanalostomy was performed in 214 eyes of 157black African patients with open-angle glaucoma that was poorly controlled bymedical therapy. The procedure involves the production of superficial and deepscleral flaps. The deep flap is disserted to the plane of Schlemm's canal. Fromthis plane, an intact window in Descemet's membrane is created by gentlepressure at the level of Schwalbe's line using a cellulose sponge. Aqueoushumor diffuses through this window into a subscleral space (lake). Reflectionof the inner flap unroofs Schlemm's canal, creating a trough leading to 2entrances into Schlemm's canal (surgical ostia). A delicate cannula isintroduced into the entrance of Schlemm's canal left and right and high-viscositysodium hyaluronate is gently injected into the canal for 4 to 6 mm. The deeperscleral flap is excised (deep sclerectomy) and the superficial flap is suturedsecurely using 5, 11-0 polyester fiber (Mersilene) sutures. High-viscositysodium hyaluronate is then injected into the subscleral lake to act as aphysical barrier to fibrinogen migration postoperatively.

つまり、オリジナルのVisco-canalostomyは、強膜弁はダブルフラップで、深層弁はシュレム管外壁に達する深さとし、シュレム管にヒーロンVを左右とも入れ(この手技がVisco-canalostomy)、深層弁は切除して(この部がレイク)、表層弁を縫合して終了。ビスコはレイクの中にも置いてくる。

※このシュレム管から集合管までのルートに粘弾性物質を押し込み、拡張させて、正常の(或いはそれ以上の?)線維柱帯経由の房水流出量を確保するのが狙い。このVCSab internoで行うツールが発売され、かつて、日本で一番多くこの手術を行ったかもしれない山岸先生が見逃す筈はなく、結果日本で最も早くこの手技を行うことになったようです。

STREAMLINE®Surgical System

https://www.leaveonlyyourbestwork.com/ 

従来のVCSは、レイクをつくりそこからシュレム管・集合管へ房水流出を期待しているが、今回のストリームラインを用いた手技は、当然レイクはない。

このツールの先から150μmの鈍針が出て、これを線維柱帯に穿刺する。この状態で少し左右に動かせば、トラベクロトミー ab internoとなる。これを同時するかどうかは知らないけど、穿刺した状態で、ワンクリックすると、穿刺した針の横から7μlの粘弾性物質が出てくる。粘弾性物質は、プロビスクのようで、これが8回分入ってるらしいが、通常3-5個所に行うらしい。Visco-canaloplastyがうまくできていると、前房に入れたトリパンブルーが集合管から房水静脈へ流れるのが確認できるらしい。眼外から行う場合は、フラップを作成した部位の両サイドだけだが、ストリームラインなら、もっと広範囲に行えるかも。一応、blood refluxあるようだが、ロトミーより軽微で外来手術向き。何よりも、iStentのように異物を眼内に残さないのが利点。問題はこれで、20前後の眼圧が15前後に安定してもっていけるかどうか・・

https://youtu.be/u0jI6sIWQXo?si=cygfopv-AkkjL_-N 

すでに答えは出ているのかもしれないけど、しばらくして眼圧再上昇したら、別の場所で、再度Visco-canaloplastyしてもいいような気がするし、それでも駄目ならしっかりロトミーするとか、異物フリー手術の選択肢が増えそうだ。また、Visco-canaloplastyすると、線維柱帯流出に影響する点眼、例えばグラナテック、エイベリスなどの効果に好影響が出ないのだろうか。ちょっと興味がある。

房水流出の主経路は、線維柱帯・シュレム管・集合管・房水静脈へと流れる経路。通常の流出路手術は、最も流出抵抗が大きいと考えられている線維柱帯とシュレム管の間の切開だが、Visco-canaloplastyは、シュレム管・集合管・房水静脈あたりの流れを確保することにありそうで、この手技にストリームラインの鈍針を少し動かしてロトミーを併用すれば、主経路全体の流出抵抗を下げることになるのかもしれない。ちょっと期待できる手技ではないだろうか・・


by takeuchi-ganka | 2024-11-26 10:23 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28