第464回大阪眼科集談会 その3(1335)
2025年 02月 25日
春の準備万端(^^♪
8 難治性の網膜色素上皮剥離にブロルシズマブ硝子体内注射が奏功した症例の検討
○西口馨士(市立岸和田市民病院)、山本学、居 明香、河野剛也、平山公美子、三澤宣彦、本田 茂(大阪公大)
視力改善はあまり得られなかったようだが、最終的に全例でPEDは消失。分子量の小さなブロルシズマブは、網膜色素上皮を通過しやすいのか、著効するとは限らないが、他の抗VEGFよりも難治性のPEDに有効らしい。
9 多発性内分泌腫瘍の転移性巨大眼窩腫瘍の1例
○佐藤陽平(大阪市)、中村 聡(明石市)、藤田恭史(大阪市)、南愛(豊中市)、
相川美和(大阪市)、鹿嶋友敬(東京都)
多発性内分泌腫瘍の話。あまり聞いたことがない疾患。
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=111
https://men-net.org/medical/index.html
多発性内分泌腫瘍症(Multiple Endocrine Neoplasia:MEN)には、『2腺以上の内分泌腺に特定の組み合わせで腫瘍が発生する疾患』で、発症部位の組み合わせで、MEN1とMEN2がある。腫瘍が悪性であることも多いらしい。40歳男性で、7年前に縦隔腫瘍。7年後眼窩腫瘍、海綿静脈洞腫瘍、膵臓腫瘍、そして前頸部の腫瘍も・・。眼窩腫瘍拡大し、視力低下きたしたので、摘出へ。視力0.1⇒1.2に。MEN1の眼窩腫瘍の報告はなく、珍しい症例らしい。
※フロシール使用しての手術。
https://www.baxterpro.jp/products/hemostatic/flosealfastprep_old
10 甲状腺眼症による圧迫性視神経症に対するトリアムシノロン眼窩先端部注射の効果
○藤田恭史、佐藤陽平(大阪市)、中村 聡(明石市)、南愛(豊中市)、相川美和(明石市)、
鹿嶋友敬(東京都)
昨年末あたりから、鹿島先生が、フェイスブックにあげておられたが、1回の薬価800円。話題のテプロツムマブは一連の治療に1000万円前後かかるらしいが、費用対効果を考えると、断然TA注射だと・・。甲状腺眼症による圧迫性視神経症(Dysthyroid Optic Neuropathy:DON)に対しては、通常ステロイドパルスして、無効なら眼窩減圧術。最近、テプロツムマブという新しい薬剤が登場して、話題になっているが、超高額薬剤である上に、聴覚障害・高血糖などが問題だと日本眼科学会からもステートメントが出されている。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/202410/586191.html
https://www.nichigan.or.jp/member/news/detail.html?itemid=792&dispmid=917
そんな中、オキュロフェイシャルクリニックからは、TAの眼窩先端部へ注射の効果の報告。今までは、30G針(12mm)を用いてしていたが、今回は、センシテックルントカニューレ(27G40mm)を用いた。27G針だが先端は鈍で、先端部の横から注射液が出る。長さ40mmで10mm間隔の目盛がついている。球後の血管損傷に気をつけながら・・。ステロイドパルスに比べたら、入院不要で、安全かつ有効だと。
※昔の白内障手術時のキシロカイン球後注射を思い出したが、稀に球後出血を起こして手術中止なんてこともあったが、この針なら大丈夫そう・・
https://www.top-tokyo.co.jp/app/uploads/2022/03/1450-1.pdf


